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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

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小屋に仕掛けられたトラップ

 先へ進むと気配が強くなった。

 安全の為、スコルたちを待機させて俺は先へ行く。

 武器召喚でゲイルチュールを呼び出し、(にぎ)りしめた。これで(おそ)われてもいつでも応戦できる。


 背丈(せたけ)より高い草むらを突き進む。

 たいまつの明かりだけが頼りだ。


 (ただよ)う魔力を頼りに進むと、開けた場所に到着した。


 そこには『小屋』らしき建物があった。すでに拠点(きょてん)を作っていたのか。

 建築系のスキルを所有しているってことかな。


 それにしても、クラウスとディミトリ―は、こんな夜の無人島でなにをする気なんだ……?


 聞かれたくない会話でもあるというのだろうか。

 なんにせよ、あの二人を止めねば。ドヴォルザーク帝国へ連れ帰り、国家反逆罪で裁きを受けてもらう。

 アレグロ枢機卿の暗殺容疑。

 それに、シベリウスにした暴力は許されない。



 このまま『小屋』を吹き飛ばしてもよかった。しかし、それではきっとクラウスを取り逃がすだろうと思った。だから正面から堂々と入ることにした。


 ノックは不要だ。俺はそのまま(とびら)を開けた。


 小屋の中には誰もいなかった。……明かりはついているのに。



「…………!」



 違和感を感じた瞬間だった。俺はすぐに小屋を飛び出て草むらに身を投げた。すると、その直後には小屋が爆発を起こしていた。



『ドオオオオオオオオオオオォォォォ…………!!!』



 物凄い爆風でぶったまげた。まてまて、爆薬を仕掛けていたのか。

 さっきの小屋はトラップということか……!



 (あせ)っているとスコルたちが何事かと()けつけてきた。そりゃ、そうだよな。



「兄上、なにがあったのだ!?」



 炎上する小屋の残骸(ざんがい)を見てハヴァマールは固まった。



「これはクラウスの罠だ! みんな、俺から離れるなよ!」



 きっと俺が追いかけてくるとクラウスは(にら)んでいたのだろうな。でなければ、こんな鬼畜(きちく)なトラップは仕掛けんだろう。

 普通の人間なら爆死していてもおかしくなかった。



「……やれやれ、しぶといな」



 燃え盛る小屋の奥にある茂みからクラウスが姿を現した。そんなところに(ひそ)んでいやがったか。

 ディミトリーの姿はないが、どこかに隠れているんだろう。要警戒だな。



「おまえ、シベリウスに暴力を振るったな!」

「ああ、上級監督官か。アイツは使えんクズだからな。当然の(むく)いさ」



 冷徹(れいてつ)にそう言い放つクラウス。まるで感情がないというか興味すらないような口ぶりだった。なんだコイツは……!

 同じ議員をなんとも思わないのか。



「クラウス、お前はディミトリ―議員と結託してアレグロ枢機卿を暗殺したのか……!」


 そう問いただすと、やはりクラウスは飽き飽きしたような表情を見せた。肩をすくませ、あざ笑う。



「くだらんな」

「なに……?」


「この俺が枢機卿を殺しただって? バカなことを言わないでいただきたい。証拠がありませんし、そもそも第一発見者は陛下、あなただ」



 皇帝に対する態度と言葉ではないな。ここが無人島とはいえ、俺とクラウスの立場は変わらないはずだ。なのに、明らかにヤツの態度は傲慢(ごうまん)だった。



「だとしても、夜な夜なこんな無人島になにしに来た?」

「……フ。どのみち、あなたに隠しても無駄でしょうねぇ。なら、我が計画をお話ししましょうではありませんか」



 逃げも隠れもしないとクラウスは、妙に自信たっぷりに答え始めた。


 まさか――そんな。

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