表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

376/579

妖刀の大魔法使い

 こうなってはマルクスはもう戦えない。


「今度こそ諦めろ。さすがにそんな姿のお前と戦いたくはないぞ」

「……ぐっ。皇帝になり、共和政へ移行する夢が……」

「なぜ、そこまでこだわる」


「ラスティ、貴様に話す義理はないッ! こうなったら最終手段だ。古代魔導兵器インドラを使い……世界を滅ぼす……!」


「な、に!?」



 マルクスは怖い顔をして声高らかに叫ぶが、まったく迫力がねぇ……!!


 しかも転倒しているし!

 歩き辛いんだろうなぁ。


 こうなっては古代魔導兵器も起動できないだろうな。


 これでもう終わりだ。ついに聖戦は終わった。そう思ったが――。



『まだ聖戦は終わっていない!!』



 誰かの声がしてマルクスが吹き飛ばされていた。



「ぎゃああああああああああ!!」



 空から何か……む?


 ドラゴン?


 誰かがドラゴンに乗ってきたのか。……って、コイツは!



「俺を忘れていたようだな、ラスティ」


「お、お前……! グランツ!」



 そうだった。元老院議長の息子であるグランツの存在をすっかり忘れていた。コイツの姿がまったく見えないと思ったら……!


 こんなところで現れるとは。


 しかも。



「兄上!! グランツがルサルカさんとママさんを!! あと知らない男性エルフが!」


 ハヴァマールが叫ぶ。……そうか、二人を連れ去ったのはグランツだったのか!! しかも、イズアールの父親らしき姿も。



「父上!!」



 イズアールの反応からして父親で確定か。


 クソ、俺はずっとマルクスの仕業だと思っていた。なんてこった!


 しかも、ルサルカさんも母親もドラゴンに吊るされていた。なんてことを……。



「やめるんだグランツ!! お前とは戦いたくない!」

「……やめる? 戦いたくない? なにを寝ぼけたことを言っている! 貴様はそれだから帝国を追放されたんだ!!」


 憎しみにも似た視線を向けるグランツ。以前のヤツとはまるで違う。いや、そもそも元老院議長の息子。同じ思想をもっていてもおかしくはない。



「……ラスティさん。どうするんですか?」

「大丈夫だよ、スコル。俺は負けない。ルサルカさんと母親、そしてイズアールの父親を救出して聖戦を今度こそ終わらせる」



 そうだ、もうこんな意味のない戦いは終わらせるべきだ。皇帝なんてどうでもいい。平和な世界があればそれでいいんだ。



「みんな、手を出すな! 俺がグランツを倒す! そして聖戦の決着をつける!」



 これが本当の“最後の戦い”だ。

 敵はたったの一人。ならば俺も一人で戦う。



「で、ですが……!」

「ルドミラはみんなを守ってくれ。隙あらばルサルカさんたちの救出を頼む」

「分かりました。ご武運をお祈りします」



 俺は改めてグランツの方へ向き直る。

 ヤツは『妖刀』を鞘から抜き、俺に向けた。

 魔力があふれでると同時に、大魔法使いテレジアが姿を現した。そういえばそうだった。アイツも元老院の一人なんだよな。


 ここにきてようやく、おでましか!


「……久しぶりですね、ラスティ」

「テレジア! グランツを止めるんだ」

「それはできない相談ですね。彼は優秀。そして、この私も元老院としての責務を全うします」


「だがまて。お前は聖戦に参加していないだろ?」

「私も参加していますよ。グランツと共に申請済み」



 くそっ!

 このままでは一対二という不利な戦闘に。



「おいおい、水臭いじゃないか!」

「イズアール! だけど……」

「向こうが二人なら、こっちも二人だ。それに父上をやっと見つけだせた。あのグランツとかいう男を倒せばいいんだろ!」


「分かった。手伝ってくれ!」



 このまま俺がグランツを。イズアールにはテレジアを相手してもらう――!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ