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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

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城塞都市コーラングレの破壊王

 俺の魔法攻撃は一瞬でフスの野郎に命中。

 ヤツは建物を突き抜け、吹き飛んだ。

 シュネーヴァイスは、高火力であり高速度で打ち出されるので回避が難しい。


「畳みかける」


 俺はその場から駆けていく。

 もちろん、建設も続けて木造住宅を増設。

 これでマルクスの妨害は防げた。


 フスがぶっ倒れている現場まで建設を続け、俺はヤツを見つけた。



「…………ぐっ」



 ダメージを受けているのか、仰向けで倒れていた。

 思ったより効果抜群ってところか。

 さすが女神のスキル。



「降参するなら今の内だぞ、フス」

「……誰が。今のは油断しただけだ」



 すたっと起き上がり、俺をにらむフス。

 おー、怒っているな。


「諦めるつもりはないのか」

「あるわけないだろう! ラスティとか言ったな。貴様は本当に死にたいらしいな」


 ブチギレたのか、フスは手を構えた。

 英傑召喚をするつもりのようだが、俺は容赦なく妨害した。


「シュネーヴァイス!」

「ぎゃああああああああああ!!」


 フスはまたも吹き飛ぶ。

 今度も大ダメージを追い、どこかに倒れた。

 スコルの世界聖書(ウルガタ)から魔力が供給され続ける限り、俺はスキルを乱発し放題だ。これならフスを追い詰められるぞ。


 そして、俺は何度も、何度もフスに攻撃を与えた。



「これで、どうだッ!!」

「やめ、やめろおおおおおおおおおおおおおお!!」



 もはや、一方的な戦いになっていた。

 だがこれでコイツを倒せるなら楽でいい。

 そう楽観的に思っていたが。



「……!?」



 フスは辛うじて召喚を決めていた。

 シャドウゴーレムを盾にしていた。



「あ……甘く見るなよ、人間! 私はサモンマスターだ。詠唱さえ間に合えば召喚できる。これでお前を地獄に叩き落せるな……」



 しまった。このままでは!

 いや、それよりも早く俺はフスを倒す……!


 シャドウゴーレムを飛び越え、俺はフスを――。



「間に合ええええッ!!」

「フハハハッ! 遅い、遅すぎだああああああああ!! 英傑召喚!!」



 シャドウゴーレムが粉々になると共に、床に大魔法陣が出現。

 こ、これは……まさか。

 本当に英傑を召喚できるというのか。

 それによってルドミラたちは敗北したという。


 いったい、なにが出てくるんだ……?


 注視していると魔法陣から――。



『…………』



 こ、こいつは……なんだ?

 黒いマントに身を包む巨漢。

 渋い貴族のような成りで威圧的。

 白目を剥き、けれどそのオーラは英傑そのものだった。



「紹介しよう。その男は、かつて城塞都市コーラングレの王だった男。ヨセフ・コーラングレという“破壊王”だ。他の国を徹底的に破壊することで知られ、無慈悲で冷血だった」


「なに……」


「だが、彼はやりすぎた。民の暴動により城塞都市は破壊されまくった。最期は処刑されてしまった。だが、私の“英傑召喚”に加わった。ヨセフはあまりに反英雄的に有名で、名の知れた男だったからな」


 それでフスの手に堕ちたというわけか。

 いや、もともと悪だろうから、余計に召喚に応じやすい形となったのか。


 警戒しているとヨセフは自ら魔法陣を出し、その中から人影を取り出していた。



『…………』



 その人物たちに俺は驚いた。


 ルドミラ!

 エドゥにテオドールまで……!



 みんなズタボロにやられ、倒れていた。

 ……ま、まさか死んでいないだろうな!?



「切り札を使うことになるとはな。ラスティ、御覧の通りルドミラたちは私の英傑召喚・ヨセフが捕らえていたのだよ。……ああ、安心しろ。今のところは半殺しにしてある」


「てめええええええええ!!」


「ははははは!! いい顔だ。その顔が見たかった!」



 悪魔のように笑うフス。

 いや、コイツは悪魔だ!!


 俺の大切な仲間を……よくも!!



「フス、お前を倒す」

「その前にヨセフを倒せたらな! まあ、無理だと思うがな!!」



 許さねえ。仲間を傷つける奴は絶対に許さん。

 反英雄だ? 知るか!


 俺は久しぶりにブチギレた。

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