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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

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元聖騎士の男

 仮面騎士リアンの攻撃を受け流しながら、+10覚醒ヴェラチュールを投げつけていく。

 それでも魔法使いには命中(ヒット)しない。


 あのマインドという魔法使い……回避力が異様に高い。

 単に吸収魔法だけを専門にしているわけではないようだ。ということは近距離も遠距離物理攻撃も対策済み、というわけか。


 しかも、俺の体力も魔力も同時に奪われている。


「くっ……」

「どうしたラスティ。表情が優れないようだな」


 剣を何度も振るうリアン。

 俺はひとつひとつを確実に受け止め、弾いた。

 だが、その傍らでマインドが俺のすべてを吸収していく。……クソッ、回復アイテムがもたんぞ。


 そんな激闘の中、急にマインドが倒れていた。



「…………きゃあッ!?」



 何事かと全員が振り向いた。



「…………クク。クハハハハ! 油断したな、馬鹿どもが!」



 マインドの首元に剣をあてがい、人質に取る男の姿があった。


 あれは確かヨハネス……!



「なんだ貴様! マインドを離せ」

「久しぶりだなァ~、リアンさんよォ」

「貴様……ヨハネスか」

「そうだ。ずっとラスティを殺す機会を伺っていたのさ。そこの男はストレルカを奪った! いや、それだけじゃない。この私の地位も名誉もなにもかもを奪った! 憎き男だ!」


 だからって、マインドを人質にするのは違う。

 あの魔法使いとはなんの関係もないぞ。



「おい、やめろヨハネス!」

「無理な相談だ! これは聖戦だぞ! この先は殺し合うしかねぇんだよ! 特にお前は八つ裂きにしてやる!」



 ダメだ、コイツ。

 ヨハネスは俺に恨みをもっている。憎しみだけで動いているんだ。そりゃ、過去にはいろいろあったが、かなり前の話だぞ。

 それにヨハネスのは自業自得が大半を占めている。

 だから恨むのは筋違いってモンだ。



「仕方ない。リアン、不本意だが俺とヨハネスの一対一(サシ)でやらせてくれ」

「マインドを救出するのならば……よかろう」


 剣をおさめるリアン。

 続き、他のメンバーも矛をおさめた。

 イズアールも空気を読んだのか立ち止まっていた。


「おい、ラスティ。あのヨハネスというのはなんだ?」

「詳しい説明はあとでするよ」



 俺がそう言うとイズアールはしぶしぶ納得していた。

 意外やみんな従ってくれた。

 実は話せば分かるのだろうか。

 まあいい、それよりも目が血走っているヨハネスだ。


「……ラスティ。ラスティ!! お前をぶっ殺してやるッ!!」


 剣を抜くヨハネスは、マインドを抱えながら攻撃を仕掛けてきた。な、なんて野郎だ! コイツ、元騎士としてのプライドもないのか!


 いや、ここまで堕ちたからこそ、ヨハネスは卑怯な手を使ってでも俺を殺しに来ているんだ。

 俺がもっとも嫌いとする手段で。



「この卑怯者がッ!」

「なんとでも言え。私はお前を抹殺できれば……元老院議長マルクスの駒になってやるさ!」


「なにっ!?」



 元老院議長マルクスの駒だと?

 コイツ、それを承知の上で……だとしたら、この城塞都市へ来れたのも、マルクスの手引きというところか。


 剣を振るってくるヨハネス。

 しかし、以前と比べてもほとんど変化はない戦闘力だった。

 余裕で回避でき、俺は反撃できた。

 +10覚醒ヴェラチュールでヨハネスの右肩を刺した。



「ぐおおおおおおッ!!」



 これでマインドを離すかと思ったが、粘り強く掴んでいた。……クソッ!



「マインドを離せよ」

「く、くははは。この魔法使いは敵だろうが! ラスティ、お前は敵に情けをかけるのか……? おめでたい頭をしているなァ」


「今は状況が違うのさ。ヨハネス、お前という悪が人質にとっている限りは関係ない」

「屁理屈だな。こんな魔法使いなんて見捨てればいいんだ」



 邪悪にほほ笑むヨハネス。

 昔の彼とは大違いだ。

 最初に会った頃は騎士としての誇りだとか、技量を肌で感じたほど。しかし今は魔族のような、そんな残念な状態だ。


「お前のようなヤツを皇帝にはさせない!」

「皇帝ぇ? そんなモン興味はねえ! ラスティ、お前をこの手でぶっ潰す! それだけだ!」


 もう言葉は不要だ。

 俺は+10覚醒ヴェラチュールにスキルを付与していく。

 この一撃で決める……!

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