表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

358/579

魔法解除スキル『ディスペル』

 ハヴァマールの分析が完了した。

 予想通り、この辺りには魔法が仕掛けらていたようだ。

 人を迷わす『ループの魔法』だ。

 しかし、なぜそんな魔法がこんなところに。


 城塞都市コーラングレへ簡単に入れないようにするためだろうか。

 それもそうか。

 あの場所には古代魔導兵器が設置されているんだ。それを隠すために、こんな魔法を。


「解除できるか?」


 俺は、ハヴァマールに聞いた。

 すると「できる」とうなずいた。


「本当か!」

「ただし、余の魔力を使い切ることになりそうだ。これだけの規模だからな」


 となると、ここでループの魔法を解除すればハヴァマールは戦えないということか。……仕方ないか。


「分かった。やってくれ」

「了解なのだ」


 ハヴァマールは右手を伸ばし、なにかのスキルを発動した。

 巨大な光が湖に広がり、そして割れるような音が響く。……解除されたようだな。


「今のはなんでしょう……?」


 不思議そうに周囲をみつめるスコル。

 疑問に対してハヴァマールは説明してくれた。


「今のは魔法解除の“ディスペル”なのだ。まあ、あまりの魔力消費量に余のディスペルはレベルも低く、一度しか使えぬが」


 確か、通常は賢者かソーサラーが覚えるスキルだ。

 それを習得しているとは、さすが雷神。

 だが、おかげで先へ進むことが可能となった。


「城塞都市コーラングレへ行けるんだな」

「これ以上のトラップがなければ。兄上、気をつけるのだ」

「ああ」


 また船を進めていく。

 今度はループするような気配もなく、段々と要塞らしき景色が見えてきた。……おぉ、本当にたどり着けそうだぞ。


 しかし、俺はそこで異様な魔力を探知した。

 同様にストレルカも察したようで叫んでいた。


「ラスティ様! 船です。敵船らしき船が追ってきます!」

「……なッ!」


 まさかこのループが解除されるのを待っていたのか。

 おそらく『聖戦』の参加者だ。


 神器を求めてついてきたか……!


 横についてくる船。俺たちより小さい船……というか、ボートに近い。小さな船に二人の男女の姿があった。あれは間違いない。世界ギルドで見た顔だ。

 聖戦の参加者だ。


 あんな木船なのに、この船の速度についてこれるとは。

 どちらかの魔法スキルだろうな。

 ということは、ストレルカに匹敵する水属性魔法か精霊使いか。


「ど、どうしましょう……」

「うろたえるな、スコル。向こうはまだこちらに危害を加えてきたわけじゃない。けど、警戒はしておくんだ。もし何かあれば聖戦参加者である俺が対処する」


 そうだ、これは聖戦でもあるのだ。

 そろそろ対人があっても、おかしくはない時期だ。


 ボートの動きを注視していると、男の方が動き始めた。ということは、女の方が船を操っているのか。


「ループを解除してくれてありがとよ!! この先に神器があるんだろ!!」

「やっぱり神器が目的か!」

「ああ、そうだ。悪いがお前たちより先にコーラングレへ入らせてもらう! くらうがいいッ!」


 男は杖を召喚してこちらに向けてきた。

 野郎、魔法使い系か!!


 魔法陣が宙に現れ、そこから赤い炎が放出された。その塊は一瞬でこちらに向かってきた。……やべぇ!


 俺はすぐにゲイルチュールを召喚して、敵の魔法スキルを弾いた。

 今のは火属性攻撃のファイアーボールってところか。かなりの威力だった。直撃していれば、この船は木っ端みじんだっただろう。


「あぶねえだろうが!」

「吹き飛ばすつもりで撃ったのさ。今度は外さんぞ」

「させるか。その前に沈め!」


 俺は無人島開発スキルの罠『落石』を強制発動して、無数の石を落とした。


 ガラガラと敵の小舟に石の雨が落ちていく。



「きゃ、きゃあ!? 石が、なぜ石が降ってくるの!!」

「ぐあっ!? ミリア、速度を落とせ」



 二人は急速に速度を落としていく。

 とりあえず妨害は防げた。

 だが、これしきで諦める二人ではないだろう。


「あとはお任せを、ラスティ様」


 ストレルカは船を操りながらも、大魔法のタイダルウェーブを発動。湖で大津波が発生してそれが押し寄せていく。これであの二人は脱落だろう。



「「ぎゃああああああああああ!!」



 直後、断末魔が聞こえた。

 まあ、湖だし死にはしないだろう。

 魔法使いのようだし、自分たちでなんとかするはず。


 さて、これでようやく城塞都市コーラングレに到着だ――!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ