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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
開発編

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聖騎士①

 ドヴォルザーク帝国は、世界最大の大国。レオポルト騎士団に所属する、その兵力のほとんどが聖騎士であり、度々起こる戦争では敵国を圧倒していた。


 そんな最強とも呼べる騎士がこの無人島に上陸していたとは……くそう、完全に油断していた。ハヴァマールの言っていた通り、俺を探し回っていたんだな。



 あの金髪……相手は、パデレフスキ伯爵ヨハネスか。“閃電”の異名を持ち、その名の通り『雷系』の技を得意とする。俺の目の前でその大技を披露した事があった。だから覚えていた。


 連れの騎士は二人。

 どちらも見た事がない。

 恐らく初対面。


 裸のスコルを拘束していた。チクショウ、あんな雑に扱いやがって。絶対に許さん。



「これはこれは、元第三皇子のラスティ・ヴァーミリオン様ではありませんか」

「ヨハネス……俺を探しに来たのか」


「当然です。今やドヴォルザーク帝国は危機的状況。あなた様が追放されてから、ハイパーインフレーションが起きた。つまり、物価が急上昇したのです。周辺諸国も同じような現象が……難民を多く出し、滅びかけている」


「だから俺に戻れと?」

「ええ、これは皇帝陛下の命令です」



 ふざけんな。勝手に追い出しておいて戻れ? 俺が消えたから国が衰退してヤバイ? 知った事か。俺はもうこの島で生きると決めたのだ。


「断る。それより、スコルを放して貰おうか」

「スコル? ああ、この美しいエルフの事か。そうか、この少女は聖女スコル・ズロニツェか……それは良い事を聞いた」


「なに?」


「エルフの国ボロディンからスコル・ズロニツェの捜索依頼が来ていた。見つけた者には、ベルリオーズ金貨を支払うと約束してくれた。ならば、連れ帰る」



 そりゃそうか。聖女が行方不明なんだ、国は慌て探すわな。帝国の力を借りるほどに焦っているようだ。だが、スコルは俺の傍にいてくれると言ってくれた。俺は、本人の意思を尊重したい。



 ……いや、これは誤魔化しだな。

 俺は、スコルに居て欲しいんだ。


 だから、もう一度、本人の口から聞きたい。



「スコル、助けてほしいか?」

「……たすけて、ください。わたしは、ラスティさんと一緒に……いたいです」



 その言葉を聞けて俺は安心した。

 なら、心置きなく戦えると。

 守るために力を行使する。



 ゲイルチュールを構え、スコルを捕らえている茶髪の騎士へ猛接近。あまりの速さに、ヨハネスももう片方の騎士もビビっていた。



「うおりゃああああああぁぁ……!!!」



 敵騎士の胴体に“穂先(ピック)”を思いっきり叩き入れ、吹き飛ばす。茶髪の騎士は、一瞬にして海の方へ吹き飛び、砂浜に激突。大きな砂飛沫を上げていた。


 よし、いっちょ上がり。



「ラスティさん……!」

「もう捕まるんじゃないぞ」

「はいっ、でも、ラスティさんが助けてくれますよね!?」

「当然だ。大切な仲間だからな!」



 スコルを抱え、一気に後退。

 ヨハネスと距離を取った。



「馬鹿な……私の一番弟子・ロマンが一撃で……! ありえない……仮にも聖騎士だぞ! ラスティ、お前にはそのような力は無かったはずだ!!」


「昨日、徹夜したからな。また能力値が上がったんだろう」

「!? な、なんの事だ……」



 無論、ヨハネスは知らんだろうな。俺には『無人島開発スキル』がある。このスキルのレベルが上がれば上がるほど“習得者の全ステータス値が10%上昇する”のだ。現時点で『Lv.6』なので60%上昇中。実際はいろいろプラスされているだろう。何にしても、この恩恵はかなりデカイ。


 そうでなければ、イノシシやゴブリンを倒せていない。



「おい、ヨハネス! クソ親父に伝えておけ……この島は、ドヴォルザーク帝国に負けない島国になるとな! 攻めて来ようものなら容赦はしないと」


「調子に乗るな、ラスティ! 貴様のような無能皇子は大人しく帰ってこればいいんだ!」



 ついに剣を抜くヨハネス。

 物凄い闘気だ。

 これが本物の聖騎士(・・・・・・)の気迫。

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― 新着の感想 ―
[一言] え・・わざわざバリケード乗り越えて風呂場に侵入したの? 聖騎士じゃなくて性騎士じゃん・・・ 島に敵対者が来たら反応する、からの悲鳴が近すぎるんだけど風呂は島の崖に作られてて聖騎士崖のぼって…
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