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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

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『竜の息吹』と補助スキル『息吹』

 ストレルカの精霊召喚・アクアナイトの準備が整った。


 召喚されたアクアナイトは、全身が『水』の体。物理攻撃は通らず、ダメージは与えられない。なので魔法攻撃しか通用しない特性がある。


 この精霊なら、メテオドラゴンの攻撃もある程度は耐えられるはずだ

 向こうが強烈な魔法攻撃をしなければ――だが。


 よし、俺の『壁』も完全に設置が完了した。



「スコルとハヴァマールは、後方支援を頼む」



「了解しました!」

「了解なのだ」



 二人はなるべく動かない方がいい。

 むろん、俺が守るが、メテオドラゴンが想定外の動きをするかもしれない。

 今は岩陰が一番安全なエリア。



「そろそろだな。ストレルカ、まずは試しでアクアナイトを動かしてくれ」

「分かりました」



 ストレルカは、精霊アクアナイトに命令を下す。

 水の剣と盾を構え、アクアナイト一体は前進した。


 崖に近づくと、メテオドラゴンが複数現れた。だが、ストレルカがアクアナイトをうまく操作。引き付けてくれて一体だけを誘導した。


 凄い技術だ。

 あんな風に狙って一体だけを誘き出すなんて、並みの精霊使いでは不可能だ。


 精霊とは、常に膨大な魔力を供給する。消費量も激しいらしいし。更に言えば、精霊を操るというのは、とても大変のようだ。

 ストレルカ曰く、目隠しされたまま針の穴に糸を通すようなものだと言っていた。どんだけ難しいんだよ、それ。


 だが、彼女はそんなことを簡単にやってのける。


 ついにメテオドラゴン一体がこちらに。



「見事!!」

「ラスティ様、ドラゴンの討伐をお願いします!」



 精霊を操りながらストレルカは合図を出した。今しかない!


 ゲイルチュールを、+10覚醒ヴェラチュールに変更。


 この最強の槍なら、メテオドラゴンを仕留められるはずだ。


 投げようとしたその時だった。



『――――――!』



 メテオドラゴンが反応し、急に視界から消えた。



 え……消えたぞ!?



「あ、兄上! メテオドラゴンがいなくなったぞ!」



 ハヴァマールが慌てて叫ぶ。

 なぜだ。

 なぜメテオドラゴンの姿がなくなった……?


 まさか透明化(ステルス)の魔法か?

 いや、そんな高度なスキルを使えるとは思えない。


 他に考えられるとしたら……。



「きゃああ!!」



 だが、そんな考えている暇もなかった。気づけばメテオドラゴンは、スコルの背後に忍び寄っていた。


 ……な、なんで!


 気配をまったく感じなかったぞ。

 いや、冷静に分析している場合ではない!


 くそっ、まさかこんなアッサリと接近を許してしまうとは。

 この距離で+10覚醒ヴェラチュールを投げられない。

 スコルに当たってしまうからだ。


 ならば、無人島開発スキルでいく。


 メテオドラゴンがスコルを襲うギリギリで俺は『壁』を生成して、遮った。まだ材料があって良かった……!



『……ガコンッ!』



 地面から石の壁が生えて、メテオドラゴンの破滅的な凄まじい『ドラゴンブレス』を一時的に防いだ。

 だめだ。もう壊れる!!



「スコル、俺に掴まれ!!」

「……ラスティさん!」



 俺は手を伸ばし、スコルの手を取った。そのままハヴァマールも小脇に抱えて猛ダッシュ。一方で、ストレルカは大精霊オケアノスに乗って距離を取っていた。



「気を付けてください、ラスティ様! メテオドラゴンはなにやら妙な移動方法を使うようです!」


「ああ、ストレルカも気を付けてくれ!」



 かなり離れ、俺はスコルとハヴァマールを下ろした。



「ありがとうございます、ラスティさん」

「いや、ケガがなくて良かった。ていうか、あのドラゴン……スコルを狙いやがって!」

「た、食べられちゃうかと思いました……」



 まさか俺ではなく後衛のスコルを狙われるとは思わなかった。

 もしかして、あのメテオドラゴン……知性がかなり高いのか? いや、そんなわけないよな。


 分析していると、またメテオドラゴンが現れた。


 今度はハヴァマールの背後に!



「なんなんだコイツは!!」

「げっ! 兄上、メテオドラゴンがもうこっちに!!」



 とんでもないスピードで移動してるとしか思えない。しかし、あまりにスピードが速すぎる。それこそ瞬間移動のような。まさか、そっちなのか……?


 いや、そんなわけはない。


 ならドラゴンである意味がないだろう。

 じゃない! 考えている暇はない!



「サンダーブレイク!!」



 +10覚醒ヴェラチュールからスキルを放つ俺。

 しかし、メテオドラゴンは一瞬で消えた。


 ……なッ!


 飛んでいない。これは瞬間的な移動だ。……やっぱり瞬間移動なのか!



「……分かったかもしれません!」

「え、スコル。あのメテオドラゴンのスキルに覚えが?」

「はい。エルフの国・ボロディンでは年に一度の決闘大会があるんです。そこで一度だけ、あの動きを見た事があります」


「なんだって!?」


「あのスキルは恐らく……『息吹(ブレス)』です」

「ブレス?」


「目にも止まらぬ速度で移動する方法です。竜の息吹(ドラゴンブレス)の発動って時間が物凄くかかるらしいんです。その手間を省くために『息吹(ブレス)』という補助スキルを使い、即座に炎を吐いたりするみたいです」


「マジかよ。てか、エルフの決闘大会でなぜドラゴン系のスキル?」



 腕を組み、疑問に思っているとスコルが答えてくれた。



「あ、当時の大会でものすごく強いドラゴン族の方がいたんです。確か、サンダードラゴンの血筋だとかで……世界最強の魔女とか言われていましたね」



 それ、物凄く覚えがあるんだが。


 轟雷の魔女・スケルツォしかいないじゃないか……!


 そうか、彼女は人型だけどドラゴンだ。

 エルフの決闘大会に出場していたとはね。


 だが、おかげでスキルの正体が判明した。ドラゴンブレスをより効率よく吐くための、最強補助スキルってわけか。

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