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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

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上級監督官シベリウス

 聖戦はついに始まった。

 冒険者は一斉に走り出してメテオドラゴンの巣を目指していく。まるで軍隊の移動のようだ。

 だが、普通に歩いて向かっては日が暮れる


 賢い連中は徒歩ではなく、別のルートを使っているようだ。


 俺もショートカットがあると睨んでいた。


「兄上、歩いて行くのは賢くない」

「ハヴァマールも気づいたか」

「うむ。馬車でも一日は掛かるのだ」


 そうか、ハヴァマールはメテオドラゴンあの生息地を知っているんだな。


「となるとワープポータルかな」

「いや、聖戦の影響で転移魔法は“使用禁止”にされるのだ」

「マジか」

「うむ。となると飛行が早い」

「飛行って……飛べないだろう」

「んや、方法がいくつかある。でも、確実なのは……」


 なぜか騎士団の方を向くハヴァマール。ま、まさか……!

 俺は察した。


 レオポルド騎士団には『ドラゴン部隊』も存在する。


 おいおい、まさか借りるのか。

 ドラゴンを討伐しに行くのに、よりによってドラゴンに乗っていくとは。


 妙な感情の中、ストレルカが手を叩いた。


「名案だと思います! わたくしも騎士団には顔が利きますし、交渉してもよいかと」

「ふむぅ、そうだな。ストレルカの力も借りるか」


 いやけど、まてよ。

 そうだ、こんな時こそ上級監督官のシベリウスに会って話すべきだ。そもそも、アイツがしっかりしないから元老院が調子に乗っているんだ。


 帝国の状況も知りたいし、いったんシベリウスのところへ向かおう。


「兄上、どうしたのだ?」

「ああ……ハヴァマール。ちなみに、ドラゴンで片道何時間だ?」

「一時間も掛からないのだ」

「なるほどね。よし、じゃあ、まずはシベリウスを捕まえる」

「親友を頼るのだな」

「そういうこと」


 となると、そうだな。ここはさっそく、ストレルカに動いてもらうか。

 視線を向けると彼女は察してくれた。


「わたくしにお任せを。シベリウス様の居場所は聞いておりますので」

「分かった。呼んできてくれ」

「はい。では、少々お待ちを」


 ストレルカは、城方面へ向かった。

 俺がそっちへ行けないから助かる。


 しばらくは待とう。



 ◆



 三十分ほどしてストレルカとシベリウスがやって来た。



「ついに聖戦に参加しに来たか、ラスティ」

「久しぶりだな、シベリウス」

「まあな」



 シベリウスは、上級監督官らしい豪勢な服やアクセサリーで着飾っている。けど、顔は疲れているようだな。



「この僕に用だって?」

「そうなんだ、シベリウス。レオポルド騎士団のドラゴンを借りたい」

「なるほど。ドラゴンに乗ってメテオドラゴンを討伐しに行くんだな」

「なんだ知っていたのか」

「ここへ来る前にストレルカ嬢から聞いたのさ」



 話していたのか。それは話が早くて助かるけど。



「シベリウス、頼む」

「……仕方ないな」

「いいのか!?」

「ああ。親友のお前の頼みとあれば断る理由はない」

「ありがとう!」

「それに、元老院が気に食わなくてね」

「ああ……やっぱり、そうなのか」

「マルクスがどんどん勢力を伸ばしている。このままでは帝国はヤツに乗っ取られるだろう」


「マジか」

「可能性は十分にある。だからこそ、ラスティに力を貸す」



 俺はシベリウスと握手を交わす。

 こんな時、頼れる親友がいて助かった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ( ´・д・)エッ この中途半端な場面で最終!?
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