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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

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聖戦の一次試練:討伐クエスト『メテオドラゴン』

 屋敷を出て俺は次なる場所を考えた。


 ストレルカの家を頼れないのなら……他は、そうだな。

 城か。

 いや、あそこはダメだ。元老院が押さえているだろう。


 となると、どこがいい……?


「こうなったら宿屋へ行ってみるか」

「そうなのだ、兄上。それがいいのだ!」


 ハヴァマールが俺の手を引っ張る。お金はあるし、そうしてみよう。


 近くの宿屋へ足を運ぶと、受付のおじさんは首を横に振った。


「すまないね。今は聖戦で満室なんだ」

「そ、そんな……」


 そうか、大陸中から人が押しかけているから泊まれる部屋なんて先取されているわけだ。ということは、どこへ行っても同じ状況だ。


 諦めて外のベンチに座った。


「宿屋もダメですね、ラスティさん」


 がっくり項垂れるスコル。


「仕方ない、拠点はあとにして聖戦に参加しよう」

「そうなのだ、兄上。いざとなれば野宿でいいのだ!」

「いいのか?」

「よ、余は構わぬのだ」


 それは助かる。けど、あとはスコルとストレルカの意思を確認しないと。


「スコル、どうかな」

「大丈夫です。ラスティさんについて行きます!」

「良かった」


 次にストレルカに視線を送る。


「わたくしも問題ありません」


 みんなの気持ちはよく分かった。

 なら、拠点はナシだ

 今は聖戦に集中しよう。


「分かった。いったん『世界ギルド』へ向かおう」


 決まったところで世界ギルドへ向かった。さすがに大混雑しているが、なんとか間を縫って――到着。


 受付嬢に話を聞いた。


「聖戦のことで聞きたい」

「ご利用ありがとうございます。聖戦はすでにスタートしております。まずは『守護者の討伐クエスト』を受けてください」


 やっぱりそれか。

 俺は予め情報を仕入れていたので知っていた。

 しかし、内容までは詳しく把握していない。

 さて、なにを狩ればいいのだろうか。


「教えてくれ」

「はい。まずは『メテオドラゴン』を倒してください」

「メテオドラゴン?」


「はい。その昔この地に降り注いだというドラゴンです。今はルサルカ大陸とイズアール大陸の境に生息しているのです」


「なるほど」


「ただし、一人で倒すのは難しいので、みなさんパーティやギルドを組まれておりますね」


 そうか、それで中央噴水広場は冒険者でごった返していたんだ。みんなメテオドラゴンを確実に倒すために組んでいたというわけか。



「パーティやギルド単位で討伐をしてもいいんだな」

「ええ、一次試練の討伐クエストは何人でも問題ありません。ただし、申請登録後は人数の変更はできかねます。ソロならソロで討伐されないと失格となりますので、ご注意ください」


 なら、予め複数人で出た方がいいな。

 俺たちはこのパーティで良さそうだ。


「ありがとう、受付のお姉さん。申請をするよ」

「では、こちらの用紙にご記入を」


 ペンを走らせ、俺、スコル、ハヴァマール、ストレルカの名を書いた。これでパーティ申請と聖戦参加登録は完了した。


「これでいいかな」

「はい。問題ありません。では、ご健闘をお祈りいたします」

「ああ」

「またいつでもご利用ください」


 俺は礼を言って離れた。

 スコルたちの元へ向かい、説明をした。



「これからメテオドラゴンを倒しにいく」

「分かりました。わたし、がんばります!」


 珍しく声を上げるスコル。やる気満々だ。


「兄上、余も久しぶりに腕が鳴るのだ。助太刀するのだ!」


 ハヴァマールはニッと笑う。

 頼もしい限りだ。


「わたくしもです。なんなりとご命令下さい」

「ありがとう、ストレルカ」



 まずは聖戦の一次試練・討伐クエスト『メテオドラゴン』を撃破しにいく!


 中央噴水広場へ通りかかると、丁度みんなもルサルカ大陸とイズアール大陸の境を目指しているところだった。大人数の大移動だ。


 この冒険者よりも早く辿り着かないと……狩りつくされるかもしれない。急がないと。

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