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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

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帝国に集う『聖戦』の参加者たち

 冒険者ギルドに到着。

 外は相変わらず混雑しており、スタッフ各々が転移作業に追われていた。建物内では対処しきれないというわけか。

 俺たちはトレニアさんが専属で対応してくれる。


「ご利用ありがとうございます、ラスティ様」

「さっそく頼むよ」

「分かりました。では、ワープポータルを展開いたします」


 光の柱が出現した。

 この中へ飛び込めば一瞬でドヴォルザーク帝国だ。


「ついにか……」

「お気をつけて」

「ありがとう、トレニアさん」


「いえいえ。お帰りの際は世界ギルドをご利用くださいませ」

「ああ、そうするよ」



 俺はワープポータルへ飛び込んだ。

 続いてスコルやハヴァマール、そしてストレルカ。グランツもついてきた。当然か。



 ◆



 光を抜けると、その先は『ドヴォルザーク帝国』の噴水広場だった。

 カーニバルかと見間違えるほどに混雑しており、ほぼ缶詰状態。


 まてまて、こんなに聖戦の参加者がいるのかよ……!



「わぁ……ラスティさん。なんですか、この人混み!」

「スコル、俺のそばから離れるなよ」

「は、はい……」


 それから直ぐにハヴァマールとストレルカも到着。


「うぉ!? なんなのだ、これは!」

「迷子にならないよう気をつけろよ、ハヴァマール」

「人の波にさらわれそうなのだ……。兄上、手を握ってくれなのだ」


 ハヴァマールが一番背が低いし、見失う可能性が高い。

 手を握ってやろうと思ったけど肩車の方がいいかもしれない。


「ハヴァマール、肩に乗るか?」

「んなッ! 兄上、まさか肩車を……!?」


 頬を赤くするハヴァマール。しかし、まんざらでもない顔をしていた。いや、やっぱりよそう……。


「手にしておく」

「そんな~!」


 期待していたのかよ。

 いや、そんな場合ではないな。

 次にストレルカだ。


「な、なんという熱気なのでしょう……」

「ストレルカ、はぐれないよう気をつけて」

「は、はいっ」


 最後にグランツだが、姿がなかった。もうどこかへ消えたのか? まあいいや、アイツはもう敵だ。俺たちは俺たちでやるだけだ。


 ……さて、まずは落ち着ける場所を探したいな。

 どこかいい場所はないものか。


「……あ。そうだ! ストレルカの家はどうかな」

「わたくしの家ですか。でも、お父様が……」


 そうだった。

 ゲルンスハイム帝領伯とは、少しだけ気まずいんだよな。けど、今は事情が事情だ。きっと分かってくれるはず。


「大丈夫。俺が説得するよ」

「ラスティ様がそこまでおっしゃるなら……」


 ストレルカは複雑そうな表情をしていたが、決心してくれた。決まりだな。


 人混みを抜けてストレルカの屋敷を目指す。


 中央噴水広場からは、少し距離がある。


 階段を上がって城の方角を目指す。

 少しだけ往来が減ったが、それでも多い。いったい、どれだけ参加するんだ。


 こんなにも皇帝になりたい人が世の中にいたとはな。



 ようやくストレルカの屋敷が見えてきた。

 ここまで来ると人の往来も減少。

 貴族しかいない。



「こちらです」



 ストレルカの後をついていく。

 門を通り、そのまま玄関まで歩いて――到着。久しぶりに来たな。


 直後、扉が開いて中から人が飛びでてきた。


 な、なんだ……!?



「ストレルカ! ストレルカ!!」



 あれはゲルンスハイム帝領伯だ。まさか、ストレルカの帰宅を予知していたのか。

 帝領伯は、ストレルカを抱きしめて泣いていた。



「お、お父様……恥ずかしいのでやめてください……」


「なにを言う、我が娘ストレルカ。ずっと家に帰ってこないから心配したのだぞ。もう、島国ラルゴに戻る必要はない。お見合いもしなくていい! お前は自由だ」


「いえ、わたくしの身も心もラスティ様のものです」



 ストレルカはハッキリ断言した。


 殺意の眼差しで睨まれる俺。


 めちゃくちゃ怖いんですけど……。



「ゲルンスハイム帝領伯、ちょっと話をよろしいでしょうか」

「……うむぅ。今や島国ラルゴの主である君の話を断れるはずもない。いいだろう、中へ入りたまえ」


 なんとか話を聞いてもらえそうだ。

 妙な空気の中、ハヴァマールが心配そうに声を漏らした。


「兄上、大丈夫なのだ?」

「ああ、上手くやるさ」

「がんばるのだ」


 そう、今はがんばるしかない。

 この聖戦を終わらせる為にも。

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