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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

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大賢者の力・島まるごと転移

「このままでは島は壊滅か」

「そうですね、ラスティくん。住民を避難させるしかないでしょう」


 ルドミラの言う通りだろう。

 そんな太陽が降ってくるとか、いくらなんでも防御なんて不可能だ。

 俺の無人島開発スキルでも無理だろうな。


「そうだな。でも、そんな時間があるかどうか」


 島国ラルゴの人口は、一万人を超える。

 そんな人数を避難させるなんて……間に合うのか?


 悩んでいるとスコルが提案した。


「あの、ラスティさん。冒険者ギルドに頼んでみては? ほら、転移とかで」

「なるほど! ……いや、数万規模となると魔力が足りない」

「……あぅ」

「落ち込まないでくれ、スコル。こうなったら、ストレルカの船で乗れるだけ乗ってもらうか」


 他の船の協力も仰ぐか。

 そう思っていると、エドゥが俺の服を引っ張った。



「困っているのですね、ラスティ様」

「あ、ああ……このままだとラルゴは甚大な被害を受ける。多くの人の命も犠牲になるかもしれない。急がないと」


「分かりました。では、自分がなんとかしましょう」

「マジか! エドゥ、なんとか出来るのか?」

「はい。島ごと転移します」


「し、島ごとだって!?」



 他のみんなも驚いていた。

 特にグランツは腰を抜かしていた。


「ちょ……おいおい。島ごとってありえねぇだろ!!」

「なんですか、グランツ。自分に文句でも」


 珍しく膨れるエドゥは、グランツを白い目で見ていた。

 いやけど、島ごとの転移ははじめて聞いた。そんなことが可能なのか……?

 思案しているとテオドールが俺の肩に手を置いた。


「ラスティ、エドゥなら可能だ。信じるんだ」

「そうだな。分かった」


 テオドールの言う通りだ。

 今は、エドゥの力を信じるしかない。

 頼れるのは大賢者の力だけだ。



「それでは、この場所で島国ラルゴの転移を行います」

「頼む、エドゥ」

「危険ですので離れていてください」



 エドゥの指示に従い、俺たちは少し離れた。

 いったい、どんなスキルを使う気なんだ……?


 様子を伺っているとエドゥは、杖を召喚して手にした。


 そして、詠唱を始めた。

 長い長い詠唱だ。


 島の転移ともなると、さすがに時間が掛かるらしい。


 やがて、エドゥは杖を掲げて魔法スキルを発動した。なにか青白い光が島全体を包む。


 ……バタッと音がした。



 気づけば、エドゥが仰向けに倒れていた。



「エドゥ!?」

「魔力が底を尽きました」

「てか、今ので終わったのか? ずいぶんとアッサリだったけど」

「はい。たった今、島国ラルゴの転移を完了しました」



 とはいえ、風景も変わらないし……海といえば海だった。



 ――その直後だった。




『ズドドドドドドドドドドドドドドドドドド…………!!!!!』



 かなり遠方で、まばゆい光がドーム状に広がっていた。天高く、恐ろしい程の熱を帯びて。な、なんだありゃ……!


 まるで太陽のようじゃないか!



「……あれが古代魔導兵器か!」

「ラスティ様、アレはまさしくインドラございます」

「アルフレッド、お前も知っているんだな」

「ええ。古代魔導兵器インドラ、実在していたとは……ぐっ」



 物凄い熱波が向かってきた。

 これはマズイぞ。

 こんなに離れていても肌でヤバいと感じた。


 そんな中、ストレルカが大精霊・オケアノスを召喚していた。



「ラスティ様。ここは、わたくしのオケアノスでウォーターシールドを張ります。熱波とおそらく向かってくるであろう津波を防御します」


「分かった、頼む!」



 水属性の扱いに関しては、ストレルカが専門だ。彼女に任せるべきだろう。

 やがて、熱波の次に大津波が発生。

 だが、ストレルカのウォーターシールドで島全体が守られた。


 ……ふぅ、なんとか島国ラルゴは無事で済んだ。


 みんなのおかげだ。

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