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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

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冒険者ギルドへ! 謎のお菓子職人のウワサ

 少し時間が経ち、夜空には真ん丸の月が。

 今宵は満月か。


 スコルと共に夜の島国ラルゴを歩こうと思ったが、寝てしまっていた。起こすのも悪い。俺はそっと部屋を出て廊下へ。


 城を抜け出そうと静かに歩いていると、背後から声を掛けられた。



「あら、ラスティ様」

「ストレルカ、お風呂かい?」

「今出たところです。これから寝室へ向かおうかと」


 そうか。それでちょっと色っぽいのか。


「そうだったのか。じゃあ、おやすみ」

「お待ちを。ラスティ様はどちらへ?」

「俺はちょっと散歩さ。大丈夫、直ぐに帰ってくるから」

「いえ、心配なのでわたくしもついて行きます。それに、最近はラスティ様とご一緒する機会も少なかったので……」


 上目遣いで視線を送られ、俺は断れなくなった。

 まあいいか。ひとりで寂しく歩くよりは華がある方がいい。それにストレルカと夜の散歩も楽しそうだ。


「分かった。一緒に行こう」

「はいっ、ありがとうございます! では、着替えてきますね」


 俺はしばらくストレルカを待つことにした。

 先に外へ。


 城門前で月見をしていると、やってきた。いつもの綺麗で華麗なドレスに身を包むストレルカが。


 今日みたいな月光が照らす夜には、とても神々しく映る。


「さあ、行こうか。足元に気をつけて」

「大丈夫です。ラスティ様の腕にしがみつきますから」


 笑顔で俺の腕に抱きついてくるストレルカ。良い匂いがして俺は頭がぼうっとした。今日のストレルカは一味違う……。大人っぽい。


 そのままラルゴの街へ向かう。


 道中は危険なモンスターが出てくる場合もある。気をつけないと。……と、言っても俺にとっては無害みたいなものだが。


 そうして、ゆっくりと歩いて街へ。


 街中は夜になっても活気があった。

 どこもかしこもお祭り騒ぎ。

 外でベロンベロンに酔っている冒険者、大騒ぎするギルドやパーティ、肉を貪る者、占いをするお姉さん、踊り子。露店も多くなった。

 アイテム売買をする者達も、以前比べて数十は増えた。


 さすが、人口が増えているだけあるな。


 そんな賑やかな道を歩き、まずは冒険者ギルドへ向かった。


 こんな時間でも冒険者はダンジョンへ向かう為の手続きや、クエストの受注をしていた。


「ありがとうございました」



 丁寧な挨拶をして冒険者を見送るトレニアさん。

 丁度目があって、彼女は俺に気づいた。


「やあ、トレニアさん」

「ラスティ様! まさか、いらっしゃるとは!」


 冒険者ギルドを経営するトレニアさんは、俺とストレルカを歓迎してくれた。ギルド内へ入り、応接室に通してくれた。


「知っていると思うけど、こっちはストレルカ」

「ええ、存じております。ストレルカ様は、ドヴォルザーク帝国でもお会いしていますから」

「そうだったか」

「それで、今日はどのようなご用件でしょうか?」


「前にあげた『古代の魔法石(エンシェントストーン)』を使って、繁盛しているのかなって」

「おかげさまで冒険者ギルドをご利用になられる冒険者が激増しました。やはり、ワープポータルを無限かつ自由に扱えるので、移動手段に苦労しません。その噂を聞いてやってきた海外の冒険者様も多くおります」


 どうやら、大活躍してるようだな。

 苦労した甲斐はあったというものだ。


「それは良かったよ。トレニアさん、これからもがんばってくれ」

「はい、この島国ラルゴの為に尽力いたします」


 よし、冒険者ギルドの様子は見れた。あとは謎のパティシエさんを探しに行ってみるかな。


「じゃ、そろそろ行くよ。ちょっと人を探していてね」

「そうなのですね。もし良ければ、こちらでも探しますが」

「それは助かるな。でも、名前が分からないんだ」

「特徴とか何かあれば言ってみてください」

「そうだな。その人がパティシエさんってことくらいか」

「……! あのお菓子職人のパティシエさんですね!」

「えっ、トレニアさん、知ってるんだ」

「もちろんです。ここ最近有名ですよ~。ケーキがとても美味しいんです!」


 へえ、さすが港で噂の有名人。この冒険者ギルドにまで名が轟いていたのか。これで名前くらいは分かるかもしれないな。

 俺はさっそく、トレニアさんに情報を教えてもらうことに。

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