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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
皇帝編(最終章改)

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謎のパティシエ現る。美味すぎるケーキに舌鼓を打つ

 城へ戻り、スコルたちを探した。

 しかし、みんな出払っているようで気配を感じない。


「どうやら、みなさん用事でお忙しいようですね」


 エドゥも同じく気配を感じ取ったようで、そう言った。確かに、疎らだ。

 どうしたものかと考えていると、アルフレッドがやってきた。


「おかえりなさいませ、ラスティ様。エドゥ様」

「よう、アルフレッド。みんなは?」

「みなさまお出掛け中でございます」

「やっぱりそうか」


 しばらく城で待つしかないかな。

 仕方ないので、エドゥを連れて食堂でのんびり過ごす。

 紅茶を飲んだり、甘いお菓子を食べたりして、みんなを待った。


 少し経ってやっとスコルとハヴァマールが帰ってきた。


「ただいまです、ラスティさん!」

「ただいまなのだ、兄上~」


 二人とも何か買ってきたようだった。


「それはいったい?」

「ああ、これはですね……ケーキなんです!」

「お、おぉ! 街にケーキなんて売ってるんだな」

「はい。最近、すっごく有名なパティシエさんがお店を開いたようなのです」


 有名なパティシエだって?

 それは知らなかったなぁ。


「兄上、その顔は知らなかったって顔だな」

「その通りだよ、ハヴァマール。で、その有名人って?」

「う~む、あの方はなんというか……。うむむ」


 なんか言い辛そうというか、困った顔をするハヴァマール。なんでそんな詰まるかな?


「あの方って、どんな方だよ?」

「それは……」


 歯切れの悪い。

 こうなったらスコルだ。


「なあ、スコル。パティシエさんって?」

「あの方ですね! ……はい、あの方です」

「だから名前とか……」

「それが、難しい名前で……覚えられないんです」


 悲し気に悔しそうにするスコル。まてまて、そんな変な名前なのだろうか。

 まあいいや、いずれ会うこともあるだろう。

 その時を待とう。


「分かった。それより、話しもあるしケーキを食べながら、どうだい?」

「賛成です! みなさんも招きましょう」


 決まったところで、しばらく仲間を待った。

 ストレルカとテオドールが合流。

 来れない人は後ほど食べてもらうことにした。


「まあ、これはとても美味しそうなケーキですね!」

「ストレルカ。このケーキを買ってきたのはスコルとハヴァマールだ」

「そうなのですね。この島国ラルゴに、こんな目を楽しませてくれるケーキがあるとは知りませんでした」


 確かに、ホールケーキでイチゴの盛り付けが凄い豪華だ。クリームも満載。ブルーベリーなどフルーツ類もふんだんに使われている。


「どうぞ、ストレルカさん」


 スコルがケーキを切り分けてくれた。



「いや~、これは驚いたよ。ラスティ」

「テオドール、ケーキは好きか?」

「ああ、私の大好物でね。ケーキは帝国での贅沢品。滅多に食べられない」


 そういえば、そうだ。

 ケーキは貴族の間でしか食べれない高級スイーツ。それがこんな風に流通するようになるなんて、そのパティシエさんとは、よっぽどの腕というか……元ドヴォルザーク帝国の住民だったのかもしれない。


 席につき、さっそくケーキを味わう。


 フォークで一口サイズを刺し、口の中へ……うまっ! クリームとイチゴの融合……甘酸っぱくて完璧。トロっと溶けてしまう食感。口内で消えてなくなった。


 俺は第三皇子時代、よくケーキを口にしたが、あの当時の食感を思い出した。


 そうだ、これはあの時のケーキにそっくりだ!


「こりゃ、美味い!」


 みんなも大満足していた。


「はい、ラスティさん。このケーキ、とても美味しいです!」

「そうだよな、スコル。これを食べていると聖戦なんて忘れちゃうな」


 なんて俺が冗談交じりに言うと、ハヴァマールが物凄い勢いで立ち上がった。



「あぁっ!!」


「ど、どうした。ハヴァマール……」


「兄上、あのパティシエさんのことなのだ!!」


「急に意味分からんぞ。ちゃんと話してくれ」

「そ、そうなのだ。うん、さっきは悪かったのだ。パティシエさんと聖戦のことで話があるのだ」



 なんだって?

 関連することなのか……。

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