表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
聖者編(続々・最終章)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

281/579

結婚式……そんなモンぶっ壊してやる!

 オークの巣はかなり深い場所にあるらしい。

 出口はどこにある……?


 こんな時、転移スキルが使えたらいいのに。――って、まてよ。これだけのエルフがいるんだ、誰かしら使える者がいるはずだ。



「この中に転移スキルを使える人はいないか!?」



 聞いてみると、ひとりが手を挙げた。



「私なら転移スキルを使える」

「おぉ、これはラッキーだ。ボロディンへの座標は?」

「もちろんある。だけど、この人数を一気に転移できないよ」

「最大何人まで可能かな」

「がんばって10人ってところ」

「転移スキルを使える回数は?」

「精々二回だ。転移スキルは魔力を多く消費するし、触媒のルーンストーンも二個しかないから」



 二回が限度か。ということは、20人はボロディンへ帰せるな。

 戦闘に自信がある者だけど連れていき、ボロディンへ向かう。またオークが現れるかもしれないし、なにより、トルクァートと戦わねばならない。



「分かった。悪いが、魔法に自信がある者だけ来てくれ」



 俺がそう伝えると、周囲の男エルフたちは騒然となっていた。



「ラスティ様の指示に従うべきだろう」

「ああ、彼はオーククィーンを倒した。それが純然たる事実だ」

「信用に値する。ラスティに命を預けよう」

「俺は魔法が使える。ついていく!」

「僕も火属性魔法なら得意です」

「トルクァートをトップの座から引きずり降ろさないと!」

「聖女スコル様がピンチのようだし、少しでも力になりたい」



 ほとんどが志願してくれたので、俺はレベルやステータスを確認した。

 高レベルの者を厳選し、戦闘員15人と残りは癒術師3名を含めた。あとは俺と転移スキルを使用できるイズアールというエルフさんだ。


 イズアール……どこかで聞いた名だな。

 気のせいかな。


 彼は中央に立ち、説明をはじめた。



「みんな、今から『ワープポータル』を展開する。光の柱が現れるので、すみやかに飛び込んで。転移は少し経つと消えてしまうから」


 てのひらをかざし、イズアールは転移スキル『ワープポータル』を発動した。

 目の前に青空と雲が交じり合ったような光が円を描く。この中へ飛び込めばいい。俺は先頭に立ち、ワープポータルへ踏み入れた。



「後に続いてくれ!」



 すぐにユーモレスク宮殿へ向かい、スコルたちを助ける!



 * * *



 転移が完了すると、その先はどこかの受付の前だった。こ、ここは……どこだ?


「あぁ、ここか。ラスティ様、ここはボロディンの宿屋ですよ」

「宿屋か! なるほどね、実に合理的な場所にしたものだな」

「い、いえ……実はこの宿屋はちょっと特殊で」

「どういう意味だ?」

「そ、その、詳しく話すと大変なことになるので、今は出ましょう」


 よく分からないが、俺はエルフの後を追って外へ出た。

 場所は……港の近くか。


 ユーモレスク宮殿までは歩いて行かねばならない。


「全員集まったな」


 自分含めて20名の到着を確認。

 イズアールは、ルーンストーンを確保する為に街を走り回ることになった。残りのエルフたちを救出するために。


「参りましょうか、ラスティ様」

「ああ、このままトルクァートのいる宮殿へ向かう」


 18人のエルフを連れ、途中で9人はボロディンに散らばってもらった。

 まだオークが残っているかもしれないし、瓦礫(がれき)の下敷きになっている人もいるかもしれない。困っている人を助けてもらう為にも、ここで別れることに。



「では、ラスティ様、我々はボロディンの為に」

「分かった。そっちは任せたぞ」

「女性や子供たちを救出します」


 9人のエルフたちは、それぞれの場所へ向かった。



 俺と残ったエルフは宮殿へ。



 歩いて向かい――到着早々、門番に囲まれた。だよな……!



「そこの者! ……む、貴様はラスティか! なぜここに!」

「トルクァートに用がある」

「残念だが、トルクァート様は誰とも会わない。これから結婚式がはじまるのだからな」

「なに……?」


「なんだ知らんのか。聖女スコル様との結婚式だ」

「スコルと……? ふざけんじゃねえ!!」

「ふざけてなどいない。これはトルクァート様の決定なのであ――ぐふぉおおおおおおおおおおおお!?!?」



 怒りが頂点に達した俺は、門番をブン殴った。

 門番の体が吹っ飛んで他の門番に激突。全員が気絶してぶっ倒れた。



 スコルとトルクァートが結婚だぁ!?


 絶対に認めるものか!!


 結婚式……そんなモンぶっ壊してやる!!


 スコルは俺の大切な人だ。恋人であり、家族であり、俺の人生そのものだ。誰にも奪わせやしない。首を洗って待ってろよ、トルクァート!!


 怒りのボルテージがマックスに達した俺は、魔力を全開にし、ユーモレスク宮殿へ突撃した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ