無人島開発スキル防衛兵器『魔導レーザー』
エルフたちの放つ風属性魔法・ライトニングボルトがオークマザーを倒していく。さすが高魔力を持つだけあり、ダメージも大きいらしい。
次々にオークマザーが倒れていく。
この間に俺はオーククィーンと矛を交えた。
「無人島開発スキル……!」
「そんなスキルごときで余を倒せると思うな」
アックスが猛烈な勢いで迫ってくるが、俺はその前に大量の『落石』を降らせた。
「――落石ッ!!」
「な、なにもないところから岩が……ぐああああああああぁぁ……!!!」
大きな岩が雨のように降り、オーククィーンの頭上に落ちていく。
ヴェラチュールを持ちながら、俺はオークマザーの間を駆け抜けていった。俺に襲い掛かってこようとするオークマザーは、エルフたちが対処してくれた。ありがてぇ!
ついに俺はオーククィーンに接近を果たした。
目の前にするとデケェ。
岩によって身動きが取れていないが、時間の問題だろうな。
「小僧ォ! こんなもので余を倒せると思うなよ!!」
怒りを爆発させ、立ち上がろうとするオーククィーン。その前に倒す……!
ヴェラチュールに『水属性』が付与された。誰か俺の武器に属性を付与してくれたらしい。オーククィーンの属性は火。つまり弱点属性だ。これなら、皮膚が特殊だろうが大ダメージを与えられる。
「くらえええええええええ!!」
オーククィーンの左腕を叩き斬った。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ……!!」
暴れて後退していくオーククィーン。同時に、俺のヴェラチュールが弱っていた。……くそっ、魔力を帯びているから影響はあるわけか。
ヴェラチュールは休ませた方が良さそうだ。
俺は剣を納め、今度は大量の材料を消費して――無人島開発スキルの防衛兵器『魔導レーザー』を設置。
「魔導レーザー、起動開始……!」
異形の大砲が現れ、銃口から魔導レーザーが照射。爆発的なエネルギーがオーククィーンへ命中して更に押し返した。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおお……!!!」
やがてレーザーは、オーククィーンの腹を貫通。……よしっ、上手くいった!
「オーククィーン、これが俺の力だ」
「……く、くそぉ……! 人間にこのような力があるとは……」
「お前たちは、エルフたちを襲い、国さえもメチャクチャにした。その罪を贖え」
「こ、これで終わりと思うな、人間。今は終わりだとしても、ダークエルフが……トルクァートが我々をきっと復活してくれる。魔界は再び……この世に」
オーククィーンは、力尽きた。
これでエルフが襲われる心配は減った。
「みんな、無事か!」
俺は生存者のエルフに状態を聞いた。
「助かったよ、少年!」
「君のおかげだ……!」
「命の恩人だよ」
「生きて帰れるんだよな……良かった」
「君の名前を知りたい!!」
「人間にこんな強い者がいたとはな」
「って、まて……あれはドヴォルザーク帝国の第三皇子ではないか?」
「な、なんだって?」
「まさか、ラスティ様か?」
「そうだよ、十年前に見たことがあるぞ!」
「ああ、ラスティ様だったのか!!」
「少し前にも来ていただろ。あの時はいろいろあったけどさ」
どうやら俺の正体が分かったようだな。
俺は『掲示板』のこと『トルクァート』がダークエルフでボロディンを乗っ取ろうとしていることを伝えた。
「な……あの聖者はニセモノだったのか!!」
「トルクァート!! どうりでおかしいとおもったんだよ!!!」
「詐欺師じゃねえか!!」
「許せねえ!!」
「俺たちをオークに売ったのかよ!!!」
「はあああああ!? ふざけんな!!」
「女エルフが殺されたって話だ」
「俺の彼女もやられちまったよ……」
「ボロディンを取り返すぞ!!」
「ダークエルフなんかに国を渡してなるものか!」
「そうだそうだ!!」
みんなまだやる気マンマンだ。この百人以上の男エルフたちと共に、もう一度宮殿へユーモレスク向かう。そして、あの偽聖者のトルクァートをぶっ倒してやる。
スコルやクリス、セインも助けないと!
エドゥとも合流しなくちゃな――。




