表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
開発編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/579

アイテムボックス問題

 建てた家には庭もあり、花壇(かだん)は作れそうな広さがあった。玄関へ向かい、扉を開ける。俺は初めて『家』というものに入った。


 これが平民の家。

 ワクワクするな。


 中へ入ると、そこには落ち着いたシンプルモダンの空間が広がっていた。木材がふんだんに使用され、木の良い香りが漂う。

 まだ何もない部屋だけど、四、五人は余裕で(くつろ)げる広さ。



「おぉ~、これはリビングですね」



 声を上げるスコルはキョロキョロと内装を見渡す。それに対し、ハヴァマールは「落ち着きがないの~」と呆れた様子で溜息を吐く。



「だって、家ですよ、家……って、アレ。この銀髪猫耳の子は誰ですか!!」



 おっと、説明を忘れていた。

 俺は、スコルに『ハヴァマール』の事を教えた。途端、目が飛び出そうな勢いで驚いていた。おいおい、驚きすぎだろう。



「台所に風呂、トイレも完備か」



 一方のハヴァマールは、ひとつひとつ各所をチェックしている。ていうか、めっちゃ興味津々だな。どうやら、あの自称妹もこういう家は初めてらしい。俺もだが。


 いやしかし、これは素晴らしい。俺のスキルがこんな生活空間を生み出すとはな。真面目に開拓すれば、島を国へ変えられるかもしれない。


 俺の隣で涙するアルフレッドに心境を聞いた。


「泣くほど嬉しいか、アルフレッド」

「ええ……この私、歓喜のあまり、涙腺が崩壊しました。ぼっちゃんがここまで成長していたとは」


「そう褒めるな、照れるだろう」


「それに懐かしいのです」

「懐かしい?」


「ええ、私の実家にそっくりなのです。まるで帰ってきた気分に陥っており、そのせいもあり涙が止まらなかったのです」



 そんなに喜ばれるとは、作った甲斐(かい)があったな。喜ぶのはこれくらいにして、俺も一階を回った。リビングの他にフリールームがひとつあり、更に二階は四つの部屋があった。


「部屋の割り当てだが、全員二階でいいだろ。階段を上がって右の部屋が俺、その隣がスコル。階段から見て左側がハヴァマール、隣がアルフレッドって感じで」



 反対はなかった。

 決定だな!



 ◆



 スコルもアルフレッドも新しい部屋でのんびりしているようだった。俺も後で自室を確認しよう。それより、今はリビングで赤色のスライムクッションに身を預けるハヴァマールに問い合わせる必要があった。


「なあ、ハヴァマール」

「なんだ、兄上」

「あ……兄上?」


「一応、兄なのでな。これから一緒に住む以上は、兄上は兄上だ」



 そんな可愛い声で言われるとたまらんな。てか、俺に妹ねぇ……。確かに俺は、ぼっちだったし、妹はいなかった。義兄の第一、第二皇子はいたけどな。……そうか、俺には生き別れ(?)の妹がいたんだな。



「それより、教えてくれ。ゲイルチュールのアイテムボックス機能なんだが、数値で言うと『1000』が限界なんだ。これ以上、増やせないかな」


「そうだな、石なんかは重量が『3』と重いでな。木材は『1』、土は『2』とそれぞれのアイテムの重さは違う。食料は基本的に『1』と軽いが、数が多ければその分の数値は増加する」



 なので、家を建てるまでは『1000』ギリギリだった。これからもっと材料の必要な島開発や防衛設備を作るとなると、今のアイテムボックス量では圧迫する。



「どうにか……ならないかな」

「ならば、スコルかアルフレッドに荷物持ち(ポーター)をさせるとか」


「なるほどな。じゃあ、ハヴァマール、頼むわ」



「なんで余!?」



「今までずっと楽していた分、働いて貰う」

「くぅ~……。この余が荷物持ち(ポーター)かぁ。まあよい、これでもアイテム所持量は常人の三倍(・・・・・)はある。任せるが良い」



 えっへんと、ハヴァマールは胸を張った。どうやら、協力してくれるようだな。意外と素直というか、臨機応変で助かった。

面白い・続きが読みたいと感じましたら

↓にある★★★★★を押していただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ