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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
聖者編(続々・最終章)

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エルフの反撃

 たとえ鎖で身動きできない状況であろうとも、俺には関係ない。

 ただスキルの名を口にし、念じればいいのだから。


「無人島開発スキル……! 鉄を使い、頑丈な斧を作成する。それを俺の鎖に落として破壊……!」


 宙に『斧』が現れ、それが鎖に落ちて砕いてくれた。

 二度繰り返し、俺は自由を得た。


「な、なんだと……! いったい、なんのスキルだ!?」

「驚くのはまだ早いぜ」

「なにをする気だ!!」


 ヴェラチュールを召喚し、俺は剣から魔法をスキルを穿(うが)った。男エルフを傷つけないように。



「エルフたちを解放する! いけえええええ、サンダーボルト!!!」



 青い稲妻が暗闇全体を駆け巡り、光速で鎖を破壊していく。

 やがて鎖は全て壊れた。

 これで全員が解放された。


「お……おおおお、鎖が取れたぞ!!」

「魔法封じの鎖だぞ!? なぜ破壊できたんだ!」

「エルフの魔法は無効化されていたのに」

「あの少年がやってくれたのか!?」

「さっきの魔法ではなかった。いったい、なんの力だ?」

「なんであれ、助かった!!」

「もうオークの相手は嫌だ!!」


 そうか、エルフたちの鎖にはそんな魔法無効化が施されていたのか。それで抜け出せなかったんだ。

 けど、俺の『無人島開発スキル』は魔法というよりは製造・生成系のスキル。構造も質もなにもかも魔法とは、かけ離れている存在だ。


 だから魔法無効化の対象にはならなかった。



「おのれ!! ガキの分際で!!」

「オーククィーン、お前の野望はここまでだ」



 俺はゆっくりと前へ進み、ヴェラチュールをオーククィーンに向ける。ヤツは叫んで仲間を呼んだ。

 闇の奥からオークマザーが何体も現れた。くそっ、何体いるんだよ。


 だが。



「あの人間の少年を守れ!!」

「今の我々なら魔法が使える!!」

「力を合わせ、オークマザーとオーククィーンを倒すぞ!!」

「そうだそうだ!!」

「オークなんかに負けるな!!」

「生きてボロディンに帰るんだ!!」

「俺はあの少年に手を貸すぞ!」



 そうか、みんな俺に協力してくれるか!

 俺はひとりではない。

 数百人の男のエルフたちが味方だ。



「みんな、オーククィーンを倒すぞ!!」



「うおおおおおおおおおお!!」

「承知した!!」

「協力しようじゃないか!!」

「オークを倒すぞ!」

「魔法が使える今なら、余裕だろ」

「いや……そうでもないだろ」

「確かにな、オークの皮膚は特殊だ」



 オークの皮膚が特殊? それは気になるな。

 俺は近くにいたエルフにオークの皮膚のことについて訊ねた。すると、意外なことが判明した。


「マザーはともかく、オーククィーンの皮膚は魔法耐性のある皮膚らしくてね……。ほんとんど効果がないんだ」

「なんだって!?」


 つまり、並みの魔法では通じないってことか……。

 ならここは魔法ではないスキルで戦うしかなさそうだな。



「なにをゴチャゴチャとやっておる!!」



 しびれを切らしたオーククィーンが俺の方へ向かってくる。巨体を身軽に動かし、アックスを振るってきた。オークアックスか!



「――ぐッ!!」



 ヴェラチュールで防御するが、とてつもない威力に俺は手がしびれた。まずい、弾き飛ばされる。



「フハハハハハ! 小僧、受け止めたことには驚いたが、それまでだ!」



 今度は大量のオークマザーたちが押し寄せてくる。



「オークマザーなら任せろ!!」

「マザーもあんまり魔法は通らないが、それでも!」

「ああ、やってやろうぜ!!」

「オークマザーは水属性だ。弱点の風属性を使え!!」

「それしかない!!」

「ライトニングボルトを使え!」

「オークの武器を奪い、風属性を付与する!」



 各々が動き始めた。

 よし、俺もここから反撃に出る……!

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