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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
幻影編(続・最終章)

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殺人ギルドの二人組

 念という面倒な武器を使ってくるヴォルフガング・ブラッドレイという青年。まさか、殺人ギルドがこんなモノを使ってくるとは……!

 いや、そういうギルドだからこそか。


「ラスティ、私のポーションでヤツの動きを止める!」


 準備を終えたらしいテオドールが叫んだ。

 なにかのポーションを投げると、それはヤツの足元に落ちた。


 な、なんだあれは?


「こんなポーションごとき――ぬッ!?」


 ブラッドレイは身動きが取れなくなった。

 ……って、足がネバネバしている?

 なんだあの粘着性のものは。


「教えてくれテオドール、あれは?」

「よくぞ聞いてくれた。あのポーションは、超強力な粘着ポーションでね。もともとは巨大ネズミモンスターを捕らえる為に開発された」



 マジかよ。とんでもないポーションだな!

 でもおかげでブラッドレイの動きは止まった。



「くそ、くそ! なんだこりゃあ!!」

「観念しろ! お前が殺人ギルドなんだろ!」

「なにを言ってやがる!? こんなものおおおお!!!」


 ブラッドレイは、無理矢理抜け出そうとする。だが、粘着はあまりに強力で、ついに彼の体をネバネバにした。うわ、手足がベタベタだ。


 こうなってはもう念属性の槍も怖くない。


 俺は粘着に巻き込まれないよう距離を取りつつ、ヴェラチュールでブラッドレイを追い詰めた。


「罪を認めろ」

「まだふざけたことを!!」


 仕方ない。

 地上へ連行するしか……そう思った時だった。



「きゃ!!」



 スコルの声がして、俺は振り向いた。

 すると、そこには二人の男がいてスコルを人質にしていた。って、あれ!?


「ラスティくん、スコル様が!!」

「ど、どういうことだ。殺人ギルドはこの男ではなかったのか!?」


 混乱していると、ブラッドレイが叫んだ。


「俺じゃねぇよ!!」

「いや、だけど……」

「いいか、俺はな。あの殺人ギルドを追ってきたんだよ」

「追ってきた?」

「詳しいことは後だ。それより、あの女の子を助けなくていいのか」


 そうだった。ブラッドレイよりも、スコルの危機だ。


 既にルドミラとテオドールが二人組の方へにじり寄っているが、そこまでだった。あれ以上は、スコルの命が危険だ。


 二人組は、若い男だった。

 両方とも怪しいサングラスを掛け、手は短剣を持っていた。


「ようこそ、我が根城へ」

「危険を承知でわざわざ乗り込んでくるとはな。モーリス、女は残しておこうぜ!」

「そうだな、グレイ」


 あの二人はモーリスとグレイというらしい。

 そうか、こいつらが噂の殺人ギルド!


「お前達か!!」

「あぁ、そうさ。まさか、ブラッドレイがいるとは思わなかったがな」


 モーリスという方がニヤリと笑い飛ばす。すると、ブラッドレイが怒り狂った。


「ふざけんなテメェ!! モーリス、お前もグレイもぶっ殺してやる!! 妹の仇であるお前達をな!!」


 ……そうか、ブラッドレイは犯罪者ではない。仇を取るためにこの海底ダンジョンに乗り込んだんだ。



「ブラッドレイ、悪いが俺はスコルを助けなければならない」

「ふざけんな!! お前に何ができる!!」

「そのセリフ、そっくりそのままお返しするよ」

「……ッ!!」


 ブラッドレイのことは置いておき、俺はテオドールに待機。ルドミラに片方の相手を任せた。


「いいか、ルドミラ。お前はグレイって方を相手してくれ」

「了解しました。命にかえてもスコル様は救出しますので」


 俺はヴェラチュールを構え、少しずつ距離を縮めていく。


「おいおい、人質がどうなってもいいっていうのか!?」

「この美人エルフは俺様達が奴隷にしてやるよ」


 コイツ等に慈悲は必要ないな。

 本気で潰す。

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