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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
幻影編(続・最終章)

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殺人ギルドの男?

 海底ダンジョンを進む。

 どうやら、一層から四層まであるらしく、最下層の四層に殺人ギルドがいるらしい。それまではモンスターを倒して進んでいくしかない。


 とはいえ、前衛にルドミラ。

 強すぎて余裕だった。


 彼女の持つ黄金の槌『覚醒アマデウス』は、一発の威力が高すぎてモンスターがスライム相当になっていた。


「さすがに第一層は余裕だったな」

「ええ。毒針を持つポイズンフィッシュ、アクアスライムと中級冒険者向きのモンスターしかいませんでしたからね」


 おかげで俺たちの出番はなかった。

 その後も二層、三層もクリア。

 呆気ないほど早く四層に辿り着いた。


 ここから先は、一気に難易度が上昇するようだ。


 四層に入ると明らかに雰囲気が変わった。

 冷たく凍るような空気が頬を撫でる。

 よく見るとスコルの手が震えていた。


「寒いよな。悪い」


 気遣いながらも、俺は彼女の手を温めた。

 するとスコルは顔を真っ赤にして煙を出した。


「…………ラ、ラスティさん。わ、わたし……」


 あれ、余計に悪化したような。


「ラスティくん、わたしも温めてください!」

「ルドミラも!?」


「ちょっとまった! この私も頼むよ!」

「テオドール、お前は却下だ!!」


 なぜ男の手を温めにゃならんのだ!!

 テオドールの要求は全面的に却下した。


 その直後、神殿のような建物の中から人の気配を感じた。まさか!



「おやおや、島国の冒険者がまた性懲りもなくやってきたか!」



 槍を持つ男が現れた。

 しかも、結構若いぞ。

 軽装なアーマーを装備している男は、こちらを不敵な笑みで見つめ笑った。



「お前が殺人ギルドか!!」

「あぁ!? 殺人ギルド? んなもん知らねえよ。俺の名はヴォルフガング・ブラッドレイ……! ハーフエルフの王が統治する大国『テオフィルス』の槍使いさ!」


 足音も立てず、男は槍を投げてきた。

 い、いきなり!?


 ルドミラが覚醒アマデウスで防御するものの、槍がすり抜けてきた。



「ぐあッ!!」



 あのルドミラが跳ね飛ばされていた。……馬鹿な! ありえねえ!

 しかも槍は自在に飛翔して男の手元に戻った。なんだあれは。



「ヴォルフガング・ブラッドレイと言ったか」

「おうとも。それが俺の名だ」

「よくも俺の仲間を……これが殺人ギルドのやり方か!」

「フン、殺人ギルド、殺人ギルドってうるせねぇな」


 男はまた槍を投げてきた。

 俺はヴェラチュールを召喚して応戦。

 槍を弾き返そうとしたが、またすり抜けた。


 こ、この槍は実態がないのか!?


「くそっ!! 避けるので精一杯か!!」


 スコルを守りつつ、俺は槍の動きを見定めた。

 その近くでテオドールがポーションを取り出していた。何かする気らしい。


「ラスティ、あの槍は恐らく『念』で生成されたものだろう」

「念?」

「そうだ。そういう武器の属性だよ」


 そうか、武器の属性だったんだ。

 火、水、風、土があるように、念属性も存在する。一番厄介な属性だ。


「ようやく気付いたか。初歩的な知識だがな」


 呆れる男。

 うっさい、最近まで戦争で忙しかったんだ。久しぶりで鈍っているんだよ。……とにかく、この槍男をなんとかしないと。

 殺人を止めねば!

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