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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
神々の黄昏編(最終章)

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支配王の弱点

 ミカエルによると、神聖王国は『ガブリエル』という王が統治していた国らしい。ニールセンは先代の王を殺し、成り上がったようだ。

 しかも、たった十歳にしてだ。


 ありえねぇ……。


 けど、ドヴォルザーク帝国から捨てられて、恨みを抱いて生き残っていたのだろうな。でも、ヤツは恨んでなどいないとも言っていた。


 今の支配王になって満足しているような口ぶりだった。


「このままでは神聖王国ガブリエルは、悪名高い国として世界に広まってしまう。……いや、すでにもう取り返しのつかない事態かもしれません」


「だから、俺に協力して欲しいと?」


「はい。もしかしたら、もうお会いしているかもしれませんが、剣聖のラファエルも仲間です。彼も今の状態を望んではいない」



 あの男も……?

 そうか、それで覇気がなかったのか。

 戦う気力があまりになさすぎていた。


「ミカエルのようにニールセンを認めていない者が他にもいるんだな」

「ええ。それほど多くはないですが……。でも、国を正常に戻すために、我々は密かに動いているのです」


「理由は分かったよ。で、俺にどうして欲しい」

「ニールセンを倒していただきたい」


「直球だな。ニールセンとは一度戦ったけど、なかなか強かった。一筋縄ではいかないかな」



 あの闇の力は尋常ではなかった。

 魔王に匹敵する魔力、闇スキルだった。

 少なくとも、長い戦いになるのは確かだ。だけど、そこまでグダグダやっていられない。


「分かっています。ならば、ニールセンの『弱点』をお教えしましょう」

「え!? ニールセンに弱点があるのですか!?」


 俺の先にスコルが驚いた。

 確かに、あのニールセンに弱点があるとは思わなかったな。そんな秘密、普通は漏らさないと思うのだが――このミカエルは知っているようだ。


「教えてくれ、その弱点とやらを」

「その前に、ニールセンは現状では倒せないということをお教えしておきます」


「倒せない!?」


「ええ。ニールセンは今、無敵状態(・・・・)です」

「どういうことだ」



「ヤツを倒すには――――あぁッ!?」



 弱点を聞こうとしたその時だった。

 霧から何か飛んできて、それがミカエルの肩を貫いた。ま、まさか……この力は!



『余計なことを。ミカエル、お前が私を裏切るとはな……』



 この声……まさか!



「兄上、この気配はニールセンなのだ!!」



 ハヴァマールが警戒してスコルを守る体勢に入った。そうだな、聖女であるスコルが狙われているのは確かだ。


 世界聖書を読めるのは聖女だけだから。



「久しぶりだな、ラスティ」

「ニールセン!!」


「しかし、今はお前の相手をしる暇はない。ミカエル、貴様は裏切者として断罪する」


 手を翳してくるニールセン。コイツ……弱点を知るミカエルを殺す気だ。そうはさせない。


「ミカエル、お前も守ってやる。スコルとハヴァマールを頼む」

「分かりました。弱点もタイミングが合えばお教えいたします」

「それでいい!」



 無敵だか、なんだか知らんがニールセンをぶっ倒す。ただ、それだけだ。

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