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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
神々の黄昏編(最終章)

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犯人を捕まえろ

 部屋へ戻ろうとするとエドゥと鉢合わせた。


「ラスティ様」

「どうした、エドゥ」


「この度は大変なご迷惑を……」

「ん? ああ、ヤスツナの脱獄か。それなら気にするな」

「しかし……」

「エドゥにどこにいたんだ?」


「自分は国の防衛の為に各地を視察に」


 いつもの業務か。最近、エドゥには島を回ってもらっている。防衛兵器をどこに設置するか決めて貰う為だ。だから出掛けていたのだろう。


「国の為に尽くしてくれていたのなら、それでいい。城内であったことは俺の責任でもあるからな」

「……ラスティ様、そう言っていただけて嬉しいです」


「じゃあ、俺は戻るから」


「待って下さい」

「どうした?」


「実は……脱獄を手伝った者を発見したのです」

「なんだって!?」



 脱獄を手伝った者……それはつまり、あのヤスツナを牢から出した協力者がいるってことだ。そうだよな、あの牢は特殊なものだった。


 なのに、ヤスツナは堂々と出られていた。


 ……つまり、裏切者がいるってことか。いや、そんなわけはない。もしかしたら、どこかのタイミングで侵入された可能性もある。


 となると……覚えのある人物はだいぶ絞られてきている。


 だが、エドゥの答えを聞こう。



「言いますね」

「頼む、誰なんだ」


「彼の名は“ドミニク”といいます。城付近をウロついており、怪しいと思い自分は彼を尾行していました。事が終わると怯えた様子で逃げだしていましたが」



 ドミニク!

 あの貴族になりたいだの、奴隷が欲しいだの言っていた男か。アイツがヤスツナを……しかし、トラップとかどうやって切り抜けたんだ。


 城の関係者以外にも発動はする。

 そういう脱獄を手助けする輩が現れないとも限らないと考え、俺は罠を仕掛けていたんだがな。


「そうか。ヤツがね……分かった。後は俺が何とかする」

「自分も手伝いましょうか?」

「いや、エドゥには引き続き視察業務を続けて欲しい」

「分かりました。なにかあれば言ってください」


 エドゥは丁寧に頭を下げて去っていく。……さて、俺はドミニクを探しにいくか。


 再び城の外へ向かう。

 その途中でスコルと会った。



「ラスティさん」

「スコル、もう終わったのか」

「はい、修行は終わりました。それより、どこかへ?」


「ああ、ちょっと野暮用でね」

「わたしもついていきます」

「う~ん……」


「ま、まさか……女の子との約束とかではありませんよね!!」



 ぐっと顔を近づけてくるスコルは、疑いの眼差しを俺に向ける。……まずい。誤解されそうだ。その前に俺は本当のことを言った。



「ヤスツナを逃がした男に会う」

「え……今日あったあの事件ですね」

「ああ、そうだ。協力者が分かったんだ」


「分かりました。では、わたしもついていきます」


「危険だぞ」

「それでもです。もう足手まといになりません」


「……分かった。俺もスコルを守るよ」



 そう俺が断言すると、スコルは顔を真っ赤にして煙を上げた。



「…………は、はぃ」



 あ……照れてる。

 こういうところが可愛いな。



 * * *



 城の外へ出て街へ。

 エドゥによれば、南にある露店街にドミニクの家があるという。


 それにしても、少し顔を出すだけで俺に注目が集まるな。すっかり有名人だ。



「確かこっちの方か。スコル、俺から離れるなよ」

「はい、魔力の準備をしておきます。いざとなれば、聖属性魔法で……」

「分かった。行くぞ」



 ドミニクの家らしき前に到着。

 ……さて、ヤツはいるのかな。

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