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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
神々の黄昏編(最終章)

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農地を荒らすモンスター

「兄上、兄上、大変なのだ!!」


 食堂で(くつろ)いでいると、ハヴァマールが慌ててやってきた。どうしたんだ。


「なにがあった?」

「農地がモンスターに荒らされてしまったのだ。このままでは食料が確保できなくなるのだ……」


「あの辺りはイノシシモンスターも多いからなぁ」

「そう、そのイノシシなのだ。今まではグリンブルスティやセーフリームニルがおったが……最近は『ワイルドボア』という強力なイノシシが出現するようになったのだ」


「ワイルドボア?」


「そやつ、かなり手強いのだ。おかげで作物はズタボロ。これでは収穫に影響が……」


 そりゃ一大事だな。ただでさえ住人が三千人以上いるんだ。食料問題は今のところ問題はないけど――畑が荒らされたとなると、今後に影響が出る。


「分かった。ワイルドボアを討伐すっか」

「おぉ! 兄上、動いてくれるのか」

「島の危機だからな。ただ、動かせる人員は少ない」

「そうなのか?」

「ああ、みんな色々用事があってな。俺、ハヴァマールだけだ」

「なんと……けど、兄上がいれば大丈夫なのだ」


 スコルを連れて行きたいけど、今日は料理の勉強をしたいといってキッチンに篭もっていた。邪魔をするわけにはいかないな。



「じゃ、二人で行くか」

「分かったのだ!」



 ハヴァマールを連れ、城の外へ。

 農地を目指した。



 * * *



 農地へ入ると、農作業をしている者達が絶望的な表情を浮かべていた。


「くそっ、イノシシが!」「これでは作物が育たん」「どうすりゃいいんだ」「食べ物が作れないんじゃ意味ないぞ!」「この島に来たのが間違いだったのか?」「こんなモンスターだらけではなあ」「誰か討伐してくれよ!」「あんなバケモノイノシシをどうやって倒すんだよ」「犠牲者も結構出てるし……」



 いかんな。深刻な問題になっているじゃないか。こりゃ、俺がどうにかしないと。



「皆さん、その悩みを俺が解決します」


「あんたは……ラルゴの主様じゃないか!」「マジかよ、自ら出てくるとは」「おい、主様、なんとかしてくれよ!」「このままだと食べるのに困るぞ」「餓死だけはしたくないぞ!!」「イノシシを倒してくれ」「主様、頼むよ!!」


「分かりました。皆さんはそれまで安全地帯の畑をお願いします」



 俺はハヴァマールを連れ、奥の畑へ入っていく。

 すると、イノシシモンスターがあちらこちらにいた。あの大きいヤツか。結構でかいな……成人男性の三倍はある。


 毛むくじゃらで、鋭い牙を持っていた。目つきなんか赤くて怖いな。



 [ワイルドボア]

 [属性:無]

 [種族:動物]

 [詳細]

  イノシシモンスター。

  常に暴走状態で危険。



「兄上、これがワイルドボアの詳細なのだ」


 ハヴァマールは、モンスターの情報を見せてくれた。



「常に暴走状態か。そりゃ一般人にしてみれば厄介だな」

「暴走状態……つまり、バーサークしてるので狂暴なのだ」

「なるほどな。さっそく一匹倒してみる」

「兄上なら余裕なのだ! がんばるのだ!」

「おう、ハヴァマールも補助を頼む」



 俺はゲイルチュールを召喚して構えた。モンスターを倒すのは久しぶりだな。

 超スピードで接近してワイルドボアへ攻撃を仕掛けた。


 つるはしの穂先を思いっきり命中させ、ダメージを与えていく。



「――グァ!!」



 ワイルドボアは畑の上を転がっていく。意外と防御力が高いらしい。だが、俺の攻撃はここで止まらない。



「サンダーブレイク!!!」



 雷を放出し、魔法攻撃を与えていく。



「ピギャアアアアアアアアアア……」



 丸焦げになるワイルドボア。周囲のワイルドボアも巻き込んで、結構な数を丸焼きにした。



「おぉ、さすが兄上なのだ!!」

「思ったより楽勝だったな。ていうか、このイノシシ肉食えるんじゃね!?」

「うむ。ワイルドボアの肉は臭みがなくて美味らしいぞ」


「そりゃいいじゃないか。狩りまくって肉パーティだな」

「名案だな! 余も手伝うのだ」


「おう」



 ハヴァマールと共にワイルドボアを討伐しまくっていく――!

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