表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
神々の黄昏編(最終章)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

184/579

騎乗モンスター導入②

 城の庭に連れ出された。

 こんな場所でいったい何をする気だ?


「テオドール、騎乗モンスターが必要なんだけど」

「分かっているよ、ラスティ。今からラマ・パコスを召喚するんだ」

「え? 召喚なんて出来るの!?」


「テイマーとしての能力なのだが、ペットのラマ・パコスを二体所持している。開国記念だ、全てこの島に贈ろう」


 アイテムボックスからだろうか、テオドールは“白い卵”を二つ取り出した。薄っすらと不思議な模様が入ってるな。


「それがラマ・パコスの卵ですか?」


 スコルが興味深そうに卵を見つめた。



「そうだよ、スコル様。成獣のラマ・パコスが入ってる。これをテイマーの孵化スキルを使うと――」



 手に赤い光を宿すテオドールは、卵を温めるようにしていた。その動作はほんの数秒。次に卵を地面へ投げた。

 あんな雑な扱いでいいのか!?


 けど、卵がピカピカと光ると、それはラマ・パコスになったんだ。



「おぉ! これがラマ・パコス」



 そこには、馬のようなフォルムを持った――全身クリーム色のモコモコのモンスターがいた。


 要はアルパカだけど。



「ラスティ、こっちの青いリボンの方が雄でフェンリルだ」

「へえ……って、アルパカにフェンリルはおかしいだろ! フェンリルは狼では」

「こまけぇこたぁ気にするな。こっちの赤いリボンが雌でハティだ」

「って、そっちも狼じゃないかっ」

「まあまあ落ち着けって。雄と雌のセットだから、子供が増えれば騎乗モンスターも増えるってわけだ」


「なるほど!」



 当面は、フェンリルとハティを利用させてもらうか。

 ……それにしても、スコルが固まっているな。



「おーい、スコル。ぼうっとしてどうした」

「か……」

「か?」



「可愛いです!!!」



 ラマ・パコスに釘付けのスコルは叫ぶ。そんなに気に入っちゃうとは思わなかったな。……うーん、でも可愛いかと言われると……?

 強いて言えばブサカワかな。


「おぉ、スコル様は気に入っているようだね」

「はいっ! テオドールさん、この子達大事にしますね!」


「そうしてくれるとフェンリルもハティも喜ぶ」



 テオドールの言う通りだ。

 スコルが気に入っているし、良しとするか。


 こうして、騎乗モンスター『ラマ・パコス』を二匹迎え入れた。



 * * *



 ラマ・パコスは機敏で長距離移動が得意のようだった。揺れも少なく、指示通りに動いてくれていた。ここまでスムーズに走ってくれるとは。


「うわぁ、こんなに早いんですね、ラスティさん」

「凄いスピードだ。森なんか余裕で避けてくれるし、衝突の危険性もなさそうだ」


 俺の思っている以上にラマ・パコスは優秀だった。これはいい。この二匹は大切にしよう。



 移動を続け、未開拓の地を目指す。

 この島国ラルゴは広大だ。

 俺たちの住んでいる場所は、ほんの一部に過ぎなかった。


 移動して見れば、改めて島の雄大さに気づかされる。


「ここは手つかずだ」

「はい、なんだか初めの頃を思い出しますね」


「そうだった。スコルと二人きりで無人島を生き抜いていた頃があったよな」

「あの時はまだ何もなかったですよね。今ではあんなに家がたくさん。人も多くなりました」


「これからもっと多くなる。開発を進めよう」

「はいっ」


 ラマ・パコスから降り、俺はゲイルチュールを取り出して森を伐採していく。空いた土地には家を建て――その繰り返し。


 一軒、二軒……五軒、十軒と増やしていく。



 夢中になって島開発していると、日が暮れ始めていた。



「……ふぅ、疲れた。すまん、スコル……支援魔法ばかりで」

「いいんです。ラスティさんをお支えするのがわたしの務めですから」

「ありがとう。少し休憩して帰ろう」

「分かりました」


 草むらに腰掛けるとスコルが隣に座ってきた。こうして二人きりでゆっくりするのは、久しぶりかも。


 俺は、スコルの肩に手を置いて手繰り寄せた。ぴくっと反応を示すスコルは、耳まで真っ赤にして(うつむ)く。どうやら、恥ずかしいらしい。


 でも、スコルの可愛い顔が見てみたい。


「スコル、顔をよく見せて」

「……は、恥ずかしいです」


 そう言いつつもスコルは顔を上げてくれ――そのまま俺に甘いキスをしてくれたんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ