表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
開国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

167/579

神聖王国の刺客たち

 お城の地下はすっかり悪者だらけだ。

 どうにかしないとなぁ……特に体を乗っ取られているテオドールを。


 だけど解決策は浮かばないまま、時間は過ぎていった。



「兄上、材料の石は十分に溜まったのではないか?」



 ハヴァマールの言う通り、ゲイルチュールで石をかなり集めた。二人の手伝いもあって、重量オーバーになり掛けるほどの数を入手。



 石:7498個



 集めすぎたくらいなので半分以上を『倉庫』へ保管した。


 それから、洞窟方面へ向かいルドミラ達と合流を果たす。向こうチームも『土』をかなり集めてくれた。



 土:5991個



 これは驚いた。

 ゲイルチュールもなしに『土』をここまで掻き集めるとは。誰の仕業かと聞くと、ルドミラだった。



「凄いな、ルドミラ。土を採集するスキルがあったのか」

「穴掘りスキルは、剣士系の職業なら基本中の基本ですからね。ラスティくんのゲイルチュールには及ばないですが。それと、エドゥとストレルカお嬢様もやってくれました」



 どうやら、エドゥは大魔法で土を削り取ったようだな。ストレルカは、エドゥの補助をしていたようだ。


 これで『石』と『土』の収集は完了した。



「ご苦労だった。木材に関しては明日にしようと思う。今日はもう日が落ちるし、お城へ戻ろう」



 みんなと共に城を目指した。

 来た道を引き返し、何のトラブルもなく到着。



「では、わたしはお夕食の準備を進めてきますね」

「分かった、スコル。手伝えることがあれば何でも言ってくれ」

「ラスティさん……! はい、その時はぜひお願いします」



 ぶんぶんと頭を下げてスコルは厨房へ向かっていく。



「スコルさんのお手伝いをして参りますね、ラスティ様」

「おう、分かった」



 ストレルカもついて行った。


 一方、ルドミラは「では、私は風呂へ」と丁寧にお辞儀をした。エドゥも「あ、ルドミラちゃん。わたしもご一緒します」と言って向かっていく。



「ハヴァマールはどうする?」

「余は兄上と過ごすのだ」

「俺とか。まあいいか、地下牢にいるテオドールの様子を見に行こうと思ってな」

「なるほど。ニールセンの情報を引き出しに?」

「ああ、少しでも“敵国”の情報は必要だ。これから攻めてくる可能性が高そうだから」


 俺は、ハヴァマールを連れ――地下牢へ向かった。


 お城の北側にある通路を歩いていく。

 地下牢前には『アクアナイト』が見張り番をしている。これは、ストレルカの召喚した水の精霊騎士。

 かなり強く、侵入者を排除してくれる優れた精霊。


 しかも体が“水”だから倒されにくい特性を持つ。


 地下牢を通してもらい、俺は階段を降りていく。



 牢の中には、テオドールに乗り移った『ヤスツナ』と獣人ドム。それと先ほど捕縛した四人衆がいた。


 随分と客人が増えたな。

 獣人ドムとさっきの四人は“わーわー”騒いでいるけど今は無視だ。



「おい、ヤスツナ」

「なんだ、ラスティ。俺を追い出そうとしても無駄だぜ! こいつの体は今は俺のものなんだ。今は完全に掌握しつつある」


「なんだと……テオドールの意思はどうなる!」

「そうだな、完全に入れ変わればテオドールとかいうヤツの魂は消滅するだろう。――つまり、死ぬってことさ」


「貴様……」


「フハハハ! それが嫌なら俺ここから出せ、ラスティ!」

「出すワケないだろ。テオドールを返して貰うまではこのままだ」

「じゃあ無理な相談だな」


 以降、ヤスツナはニヤニヤと笑うだけ。

 参ったな……早くしないとテオドールが大変だ。彼の戦力も必要だし、このままでは開国に支障が出ないこともない。


 ひとまず、俺は次に獣人ドムの方へ。

 歩み寄っていくと、ハヴァマールは嫌そうにしていた。



「ハヴァマール、お前は待ってくれていいぞ」

「だ、大丈夫なのだ。兄上についていく」

「そんな無理しないでも。……まあいいか、俺が守るし」

「うん。兄上がいるから怖くないのだ」



 尻尾は不安気だけど、期待の眼差し。妹にそこまで頼られるからには期待に応えないとな。兄として。


 俺はドムを睨む。

 ヤツもまた俺を睨む。



「……ラスティ。お前の目の前で妹を喰ってやりたかった。プニプニのコリコリで美味そうだよなァ!?」



 じゅるりと舌なめずりするドム。

 俺はカチンときた。



「あ? 死にてぇのか、このオオカミ野郎」

「いいぜ、ここで殺し合おうぜ。今度こそ決着をつけてやる。お前を殺す前に、お前の仲間の女共を皆喰ってやる。俺の腹の中に入れてやるんだ」


 いつも温和の俺もさすがにブチギレ。格子の中に片腕を突っ込み、ドムの首を絞めた。強く強く、殺すつもりで。



「ドム!!」


「……ごぉ!? ……はは。ラスティ、お前がこれほど短気だったとはな。それではあのお方……ニールセン様には勝てんぞ!! あのお方こそ世界の王に相応しい!!」


「黙れ」



 アイテムボックスから、ロープを取り出しドムの口をグルグルに縛って突き飛ばした。



「……ブゴォ!!!」



 転がって頭を壁に強く打ちつけた。

 ヤツにもう用はない。



 さて、あとは四人組だが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ