表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
開発編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/579

素敵なプレゼント

 裁縫(さいほう)スキルのおかげで、スコルの贈り物が出来た。それと『釣り糸』も見事に完成。これで今後は釣りが出来るようになる。明日は、船に乗ってボロディンへ行くし、その時に釣りを試してみようかな。おっと、その前に『釣り竿』も作っておこう。


 ワークテーブルを展開し、釣り竿の製造を選択。


 木材15個と糸10個を放り投げ、スキルを発動する。すると、ピカッと青白い光に包まれて『釣り竿』は完成した。



「これでエサを括りつけて釣りができるわけか。コイツは面白い」



 残りの作業は明日にして、俺は自室へ戻った。いよいよ明日は船旅。早めに寝て早起きしないと――。



 ◆



 ついにこの日を迎えた。

 いち早く起きた俺は準備を整え、先に庭で釣り竿の準備をしていた。あとはエサだ。本の知識によれば虫を使う。そうだ、虫だ。

 庭を穿(ほじく)れば、ミミズとか出てくるだろう。ゲイルチュールで土を採集するついでだ。


 つるはしを手に持ち、庭を掘っていく。少し掘っただけでミミズが出てきた。コイツを使おう。保管用に小さな木箱でも作れば持ち歩ける。ワークテーブルで木材を使って作成。小さな木箱へ保管した。


「よし、これで作業は完了だな」


 手を払っていると、背後から気配がした。



「おはようございます、ラスティさん」



 振り向くとそこにはスコルがいた。深緑の優しい瞳をこちらに向け、両手でスカートの(はし)を握っていた。……ああ、短いから(めく)れないようにしているのかな。


 ――そうだ、丁度いい。



「スコル、ちょっとここで待っていてくれ」

「……? はい」


 スコルを庭で待たせ、俺は自室へ。ワンピースを後ろに隠して再び戻った。


「お待たせ、スコル」

「あの、両手を後ろにして……何か持っているんですか?」

「うん。スコルにプレゼントがあるんだ」

「プレゼント? わたしに?」


「いつもお世話になっているからね。はい、新しい洋服だ」

「え……これって」


 丁寧にワンピースを受け取るスコル。その刹那には、大粒の涙を雨のように流していた。


「ス、スコル!?」

「……だ、だって、こんな素敵なプレゼントをして貰えるなんて思わなかったので……。これ、どうしたんですか?」


「ハヴァマールの裁縫スキルで作って貰った。アイツもスコルに世話になっているからって(こころよ)く引き受けてくれてな。だから、俺とハヴァマールからだ」



 理由を伝えると、スコルはまた泣き出した。めちゃくちゃ嬉しそうに泣き、笑った。その姿を見て、俺は胸がハラハラもドキドキもした。もしかしたら気に入って貰えなかったんじゃないかって――そう思ったけれど、この反応は間違いなく感謝していた。


「ありがとうございますっ。すっごく嬉しいです!」


 勢いよく飛びついてくるスコル。俺の首に腕を回し、ずっと喜んでいた。ここまで喜ばれると贈った甲斐(かい)があった。


「……って、うわッ!」


 スコルの勢いが強すぎて後ろへ倒れてしまった。


「あ、あぅ。ごめんなさい」

「いいよ。スコルが嬉しそうで俺も満足だ」

「はい、とっても嬉しいです」


 倒れままスコルを抱えていると、ちょうど誰かきた。



「何をやっとる、兄上とスコル」

「よぉ、ハヴァマール。起きたか」

「物音がしたんで何かと思ってな。それより、抱き合って何を……はっ、まさか! もうそのような関係に……!」


「違うって。それよりお前、パンツ丸見えだぞ」

「にゃっ! み、見るな、兄上!!」


 押し倒れて見上げる状態なんだ。完全な不可抗力である。顔を真っ赤にするハヴァマールは、今にも俺の顔面を踏みつけてきそうだったが、そんな暴力はしてこなかった。



「それより、スコルのワンピース姿が見たい」

「わ、分かりました。ちょっと恥ずかしいですけど、着替えてきますね」



 のそのそと俺から離れ、スコルは自室へ戻っていく。俺は起き上がって不満そうなハヴァマールの相手だな。



「あ、兄上……」

「偶発的事故だ、許せ」

「も~、兄上のばかばか」



 ぽかぽか殴られるが、まったく痛くもない。ていうか、可愛すぎかっ。

面白い・続きが読みたいと感じましたら

↓にある★★★★★を押していただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ