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ゲームに出てこないのに美形なのはなんで?  作者: 妖狐
改変した舞台
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エルドラド48エスズ

 さすがに戦場だった場所のど真ん中で膝枕をしたままというのも、というわけでサリスさんがセイさんを背負ってエルドラドの陣があった場所まで戻っていた。ちなみに城壁は既に無くなっている。どうやらあの城壁も力で作りだしていた様子で無くなるのも一瞬だった。

「何だか懐かしいわね。この光景。」

 サリスさんの少し後ろを歩いていた私。その隣を浮かんで移動していたディーネさんがそういった。

「懐かしいですか?」

「ええ。今はこんな感じだけど少し前は違ったのよ?」

 ディーネさんの言葉にアルカディアでのセイさんを思い出していると前を歩いていたサリスさんから返答があった。

「エスズはセイの小さい姿見た事あるわよ。」

 サリスさんの言葉にディーネさんがそうなのと言った顔をしたので頷いておく。

「そう。小さい頃はああやってよく街中歩いてたのよ。もちろん変装してね。別のところから見てたけど微笑ましい光景だったわね。」

 ディーネさんの言葉からその光景を想像してみたが確かに微笑ましい光景だっただろう。

「当たり前のようにしてるが、周りの状況理解しているのだろうな?」

 最後方を歩いていたキース団長がそう言って声をかけた。

「サリス様とディーネ様は理解出来る。だが、それ以外の者たち、歩いている周りにあるのは少し前までは生きてそこに立っていた者の成れの果てになるのだぞ?」

 そう言われて私とミューダは目を合わせる。

「正直、何も感じないんです。」

 近くにあった氷の花を触りながらそう答える。表面に付いた赤い液体が手に付くが、その液体は意外とサラッとしていた。

「頭では理解しているんですが。今キース団長に言われてから考えてみて思ったのは一瞬で死ねてよかったねという事だけです。」

 そう答えるとキース団長ははぁと息を吐いた。

「これでは私だけがおかしいようになっているではないか。」

「まぁ、そう言わないでよ。想像してる戦場と違ったからその差で何も感じないだけかもしれないし。」

 エルドラドの陣があった場所からは既に荷物が運び出されていて残っていたのはメールさんと他数人だけだった。

「お帰りなさいませ。」

 サリスさんを見たメールさんがそう言って迎えた。

「メールもお疲れ様。確認とかは終わった?」

「はい。全て終わっていますのであとは戻るだけです。」

「そう。なら戻りましょうか。」

 そう言うとどこからとも無くメイドさんが現れて瞬きする間に私たちは出発した場所に戻ってきていた。

「お疲れ様。じゃあエスズとミューダは帰ってもいいよ。もし、騎士団の見学とか街中見て回りたいならメール連れてっていいから。」

 サリスさんの言葉にメールさんが軽くお辞儀をした。

「どうする?」

「せっかくですし、お願いしたいです。お嬢様と見て回りましたがやはりこの国の方から直接話も聞いてみたいので。」

 ミューダに聞いてみるとそう返ってきたのでメールさんにお願いすることにした。サリスさんとキース団長は報告があるらしくここで別れた。サリスさんが離れる前にサッと何かを私の手の中に忍ばせた。疑問に思ってサリスさんの方を見ると人差し指を立てて口に当てた。それからニコッと笑ってから去っていった。

「さて、何処に行きましょうか?」

 ボーッとサリスさんを見ていると、メールさんがそう話しかけてきた。

「何だか雰囲気変わりました?」

 先程までとは違った雰囲気を感じてそう聞いてみた。

「サリス様がいる時は護衛ですから。常に警戒してますので、そう思われたのかと。」

「素はそちらなんですね?」

「そう、なんだと思います。私もサリス様と一緒にいる時間が長い故どちらが素か分からなくなってまして。」

 少し困ったような顔でメールさんがそういった。

「どこから行きますか?」

 メールさんについて行き城を出る。

「学院のある地区とは反対側に行ってみたいです。」

 そうメールさんに頼む。

「わかりました。」

 通りをメールさんの後に続いて歩いていると、前の方からすごい勢いで走ってくる2人の子供が見えた。と思った時には既にメールさんの腕に抱えられていた。何が起きたか分からないような表情をしている子供二人をそっと下ろすとメールさんが目線を合わせて話し始めた。

「こら!道は走っちゃダメでしょ!走るならどこで走るの?」

 注意しつつメールさんがそう聞くと子供たちは素直にメールさんに謝ってから地面を蹴って建物の上に跳び上がった。

「子供たちにはまだ危険性が理解できない子もいるのでしょうね。」

 メールさんがそう言いながら戻ってきた。

「建物の上が走るとこなんですか?」

 メールさんにそう聞いてみる。

「半分正解ですね。建物の上に飛べないけど力を使えば早く走れる人用に道が整備されてるんです。見てみますか?」

 そう言うとメールさんが近くにあった建物に入った。そのまま上階に上がっていくと通りとは反対側に出ることが出来る出入口がありそこから出ると、メールさんの言った通り道があった。

「元々はこの道もなかったんですが、通りで衝突する事故が定期的に発生してましてね。」

 すると、ヒュンと音を立てて人が走り去って行った。

「ああやって走り回っている人からすると、お互い避けるのも簡単らしいのですが、私たちには難しい。けれど、走るのを禁止にするのは違うだろうという議論の結果がこの道です。」

 通りに戻ってからもメールさんの話をは続いた。

「全速力では知るには曲がっているけど遅いと感じるほどゆっくり走らなくてもいい。丁度いい解決策と言っていいでしょう!それ以来、衝突する事故も格段に減りました!」

 何故か自慢げにそう話すメールさん。だが、こんなこと思いつきそうなのは一人しかいない。

「サリスさんの案ですか?」

「その通り!・・・ちょっと待ってください?どうしてそう思ったんです?」

「メールさんってサリスさん関わると大分素に戻りますね。サリスさんの前では見せないのに。」

 そう言うとメールさんが煙が出そうなくらい一瞬で赤くなった。

「いや、えっと、それは・・・」

 漫画のような狼狽えぶりに思わず笑ってしまった。

「この際、隠す必要も無いと思うので言いますが、私も中身有るんですよ。」

 メールさんの隣に立ってメールさんだけに聞こえるように小声でそう話す。

「え?」

「詳しい話はサリスさんに聞いてみてください。」

 それだけ言うとフラッと近くのお店の前に並べられた商品を見始めた。

「多分、貴方がサリスさんから信頼されていると思って話したんだと思いますよ。」

 メールさんにそう話しかけてから私の隣でミューダも商品を見始めた。

「はぁ。サリス様が言っていたのはそういう意味でしたか。」

 そうため息をついたメールさんも一緒になって商品を見始めた。

「食べますか?この国の名物ですが。」

 私たちが見ていたのは前世で言う串焼きみたいな物。野菜だったり、お肉だったり色々ついているのだが、そのどれもがかなり大きい。

「エルドラドってかなり最近まで迷宮探索でお金稼ぐ人が多く居た国なんですよ。」

 メールさんが私たちの分まで串焼きを買ってくれたので食べなが歩いているとそう話し始めた。

「星洞神殿にお二人とも行かれたと思いますが、ああいったものがエルドラドの国内には点在してるんです。今は全て管理していて入るのに許可が要りますが、少し前まではその管理をするための調査ができていなかったんですよ。」

 そう言うとメールさんが通りの先を指さした。

「あそこの塔見えますか?」

 メールさんが指した方向を見ると通りの先、壁を越えた先に見える山に小さく塔が見えた。

「見えますね。」

「あれが、つい最近、大体二十年前ですね。それまで調査が進められていた発見されている中では最後まで調査されていた迷宮です。」

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