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ゲームに出てこないのに美形なのはなんで?  作者: 妖狐
改変した舞台
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エルドラド28セイ

母様に頼まれ星洞神殿の中にある試練の間に入り込んだ私。

「さてと、どこかしら。」

エリィ?でしたか。確か母様が別の国に行っている時に知り合った方でしたね。

その方の試練の間は一見すると試練の間だとは気が付かないほどに変わっていました。というのも私が降り立ったのは街の中心部だったのですから。

「しかし、良くぞここまで試練の間を変えられますね。それだけ思いが強いということでしょうか。」

近くにあった噴水の水を操ろうとしても全く反応がない。本物の水では無いのだから当たり前だが。

「見つけましたよ。」

普通とは違うとはいえ、試練の間の中なのは間違いない。であれば見えない水を辿っていけばすぐに見つけられる。

「あまり時間をかけると母様が心配しそうですね。手早く片付けるといたしましょう。」

スっと腕を伸ばす。そして空中を掴むように握ってやる。すると、見えない何かを掴んだ。

「初めまして、それともお久しぶりですかね?と言いましても私は貴方のこと覚えていませんが。」

目を閉じ、再び開けた時、周りの景色が少しだけ変わっていた。そして私の手には首を正面から掴まれ浮いているエリィがいた。何が起きたか分かっていないような顔で私を見てくる。

「は、離してください!」

「残念ながらそれは出来ないですわ。」

私の周りにはエリィが生み出した幻影の人が多く立っていた。

「それにしても、気が散ってしまいますわね。少し掃除致しましょう。」

エリィを掴みながら空いている方の手で試練の間に干渉し、空間を形成する力を霧散させた。

「さて、これでゆっくり話せますね。」

全てが白い世界に変わったところでエリィを離した。

「だ、誰ですか!あなたは!」

強気にそう言っているのか、それとも怖がる自分を抑えるために大きな声を出しているのか。

「そうね、人によって呼び方は違うわ?ある人はセイと呼び、ある人はポセイドンと呼ぶ。稀に水の主精霊と呼ぶ人もいますね。まぁ、呼び方はご自由に。どうせ忘れます。」

「わ、わたしに何をするつもりですか!?」

「特に何も?あなたを試練の間から引きずり出すために来ただけですから。」

そう言うと再びエリィを掴み、投げ捨てるように放り投げる。

「しっかり受け身取りなさいよ?」

パチンと指を鳴らすと、エリィが飛んでいく先に穴が空いた。エリィがその穴に消えたことを確認して穴を閉じる。

「せっかくだし彼女がここまで再現する町でも見に行ってみましょうか。」

目を閉じれ、先程見た景色を思い浮かべる。あとはその景色とおなじ景色が見える水を見つければいいだけ。一瞬で見つけることが出来た。

「ここですか。」

目を開けると思い浮かべた景色とおなじ景色が目に入った。

「一先ず服装だけ揃えますか。」

路地裏まで移動すると母様の記憶を読み取って服装を変えていく。別に変えなくても問題は無いが、母様に迷惑は掛けたくない。

「あら?その制服、王立学園のですよね?」

路地裏から出てすぐ。街を歩いていた女にそう声をかけられた。

「えっと・・・」

「あ、ごめんなさい?この街でその制服を見るとは思っていなかったもので。」

エルドラドできている服以外でとこの服装を選んだが、改めて読み取ってみるとどうやらこの服は母様がその学園で着ていた服装のようだった。ここまで情報があれば演じるのは容易い。

「そうでしたか。実はこの街出身だという子と少しだけ話をしたことがありましてね。調査で近くまで来たので寄ってみたんですよ。」

そう言うと女はグッと私に近づいてきた。

「!その子の名前は!?」

「近いですよ?」

ポンと近づいてくる女性を押し返す。

「あ、すみません。」

「名前ですか・・・。同じクラスでは無いのではっきりとは覚えていませんが、確かエリィ?と言っていましたね。」

そう言うと再び女が近づいてこようとした。が、すぐに止めた。

「そうですか。彼女は、エリィは元気にしていますか?」

「残念ながら分かりません。なんせ彼女は今この国に居ないですからね。」

そう言うと女はハッとしたような顔をした。

「そう、でしたね。」

そう言いながら寂しそうな顔をした。

「あなた、彼女とはどういった関係なんです?」

「私は、エリィの今の母親です。」

そういった女はまっすぐ私のことを見てきた。

「・・・なるほど?確かにどことなく似ていますね。」

女のことを見ながらそう言ったが、私が見ていたのは女の中を流れる血液を見ていた。流れる血液の中にある力を見てやれば確かにエリィとこの女が親族なのは分かった。

「ふふ、似ていませんよ。私とあの子は。」

そう言って離れていこうとする女を呼び止める。

「聞いてみたくありませんか?彼女が学園でどういった生活をしているか。」

その声に女はピタッと止まった。

「実は私のか・・・、友人が彼女と同じクラスでしてね。」

しばらく街の人達の声だけが流れる。

「着いてきてください。」

短くそれだけ言うと女は歩き出した。

「ええ、分かりました。」

少し距離を取りながら女の後ろを着いていく。

「ここでお待ちください。」

鉄柵に囲まれた屋敷の前でそう言われた。

「私です。開けてください。」

女がそう言うと鉄柵の門が開いていく。

「どうぞ。」

鉄柵の門を潜り屋敷の敷地内へ入っていく。

「こちらの部屋でお待ちください。」

屋敷の中の一室に通された。パッと見応接室のようなものだろうか。母様の家や皇城にもあったが、少しこの部屋は見劣りする。

「ふむ、それにしても面白いな。」

私は自然と部屋の隅に置いてある棚の上に置いてある箱に引き寄せられていた。

「これがここにあるなんて。中身は入ってないと思うけど。」

箱を持って応接机の上に置き、すぐそばの椅子に座る。

「お待たせしました。・・・なにか気になるものでもありました?」

応接室に入ってきた女は着替えてきたのか少しだけ質の良い服に変わっていた。

「いーえ?この箱を見てただけです。」

そういって机の上に置いた箱をつつく。

「そちらの箱ですか・・・。」

何故かあまり話したくないといった感じ。

「何か訳ありみたいですね。」

女の方を見ることなくそう聞いてやる。そうすれば驚いたような雰囲気を感じた。

「まぁ、話すか話さないかはこれを見て決めてください。」

そう言いながら箱を覆うように両手で包む。

「中身は入ってませんから。」

箱を覆っていた手を離すとそこには蓋が消えて中が見えるようになっていた箱だった。

「うそ・・・。」

「それで?なんでこの箱がここにあるんですか?」

空いてしまった箱を振りながらそう聞いてみる。

「そ、それは・・・」

おそらく全ては知らないのだろう。この箱がどういうものか。だが、ここにある理由は知っているだろう。

「もう一度だけ聞きます。」

ジッと女を見つめながら問い詰める。

「この箱、『妖水の箱』がどうしてここにあるんですか?」

私が今手に持っている『妖水の箱』はずっと交流のある人魚さんたちに贈り物として渡していたものだ。箱の力としては半永久的に私の力が僅かに染み込んだ水を生み出し続けるというものだ。

「その箱は私の弟が持ち込んだものです。どこで手に入れたかまでは聞くことができませんでしたが、捨てるように私に預けていきました。そのすぐ後です。エリィの両親が亡くなったのは。」

絞り出すように女はそう言った。

「なるほど。・・・あぁ、そういう事ですか。」

箱には私の力が少なからず刻み込んである。その力を私の中に戻せばこれまで箱がどういったことを経験してきたのか知ることが出来た。

「まぁ、これは仕方ないですね。」

それだけ言い残すと箱を持って姿を消した。

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