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ゲームに出てこないのに美形なのはなんで?  作者: 妖狐
改変した舞台
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エルドラド20

大央堂の端。壁にもたれかかって新期会の様子を眺める私。隣には同じような姿勢でレイン先生がいる。

「サリス先生?聞いてもいいですか?」

「何ー?」

ボーッと眺めているとレイン先生がそう聞いてきた。

「これでも学院の先生としてサリス先生よりも長く働いてきたので色々気づいてるんですが、今回の留学生5人って力の差がありすぎるように感じたんですが。」

「・・・まぁ、そうだろうね。エスズとミューダはエルドラド皇国出身の人に稽古をつけてもらってた。カナリアはエスズやミューダには劣るけど柔軟性と独創性のある力の使い方ができる。けど、残り二人は力も独創性も無い。」

「じゃあ、どうして連れてきたんですか?」

「国同士の関係を良くするため。それ以外理由は無い。」

エルドラド皇国で暮らす人達は力の差に対して敏感に反応する。力が劣っているからと見下す人はいないと言えば嘘になるが、少ない。なので、エスズやミューダ、カナリアと比べると力の差があるエリィやレオに対してはそれ以外の面で評価しようとするだろう。

「エリィとレオはいつ気づくかね。評価の下落に。」

「相変わらずいい性格してますね。」

「褒め言葉として受け取るよ。」

新期会の様子に目を向けると、留学生5人共上手くクラスに馴染めたようで特に緊張している様子は見えなかった。

「さてと、もうそろそろ終わるかな。」

新期会も順調に進んでいき、学院長の挨拶に移った。

「ここから長そうですが。」

「それは無いでしょ。色々やることあるって言うのは知ってるだろうし。圧力かければ嫌でも短くするよ。」

「相変わらず学院長なのに権力が先生より低いんですよね。」

「それは仕方ないでしょ。学院の先生じゃないんだし。皇帝との連絡係みたいなもんでしょ。」

「それも今は必要なさそうですが。」

「必要よ?私だって忙しいんだし。」

そうこうしているといつもの半分くらいの時間で学院長の挨拶が終わった。

「みんな集めてくる。」

私のクラスの子達が座っている付近まで歩いていき、少し待っててと手で合図をする。ほかのクラス子達がある程度出ていったのを確認してからみんなを立たせて出口まで誘導する。

「みんなお疲れ様。これで今日の学院での用事は終わった、かな?多分。」

「サリス先生、連絡忘れてます。」

「あっ、そうだった。」

レイン先生にそう言われて連絡することがあったことを思い出した。

「えっと、今日から留学生が学院に居るんだけどもし困ってるの見かけたら助けてあげて欲しいっていうのがひとつ。あと一つは留学生の子たちはエルドラド皇国出身じゃないってことだけ覚えておいて。」

そう言って見渡すと全員聞いていることを確認する。

「よし、じゃあ今度こそ終わり!この後前言ってた歓迎会やるから学園の正門前に集合してね。」

私の解散の合図と共にクラスの雰囲気が緩んだ。

「先生さよならー。」

さっさと支度を終わらせるとそう言って窓から飛び出していく生徒達。

「はーい、気ぃつけてねー。」

クラスの半分以上の子が窓から飛び出していき、教室にはほとんど人が居なくなった。

「あ、ナリアー。エスズのことお願いしてもいい?私1回教師寮に帰るから。」

「わかりましたわぁ。」

「寮の部屋は既に決めてあるから名前言えば寮監が連れてってくれると思う。」

「は〜い。」

ナリアの返事を確認すると教室を出た。その足で一度私の学院にある部屋に寄り資料だけしまっておく。

急いで寮に戻ると、普段用の変装セットに着替え学院の先生サリスから、一般人サリスに変身する。

「変身完了。」

姿見でパッと見で私と見分けることが出来ないことを確認してから寮を出る。

「待たせたね。」

正門前には既に何人か集まっていた。

「?・・・あ、サリス先生?」

「当たりー。分からないもんだね。」

「前と違うので気付きませんよ!」

少しづつ集まって来たが、全員私の姿に一度誰?と言った顔をする。

「これで全員かな?周りでいない子いる?」

人数を数え、念の為そう聞いておく。

「いえ、大丈夫なはずです。」

一緒に人数を数えてくれたレイン先生がそう言った。

「ありがとう。じゃあ行きましょうか。」

遠回りをしながら街を歩き、エスズに学院で使うものを売っているお店を案内したり、生徒達がそれぞれおすすめするお店に立ち寄ったりして目的のお店に着いたのはだいぶ経ってからだった。

「うわぁ、相変わらずサリス先生が選ぶお店だからと思ってたが想像超えてくるなー。」

高級店が立ち並び、煌びやかなエリアの中にある他店と比べると落ち着いた雰囲気のお店。

「今はサリス先生じゃないでしょ?」

「そうでしたね”クラリス”先生。」

時期皇妃が学院の先生をやっていることは広く知られているので隠すこともないのだが、お店側に変な負担をかけたくないのでお店に行く時は偽名を使い変装して行くように心掛けている。もちろんその事情をクラスの子たちにも理解してもらっているので外では私のことを”クラリス”と呼んでくれている。

「ようこそ。お名前をお願いします。」

「クラリスで、団体予約してます。」

「クラリス様ですね。少々お待ちください。」

お店の人が確認のためにお店のカウンターに向かった。そこに置いてある手のひらサイズの正方形の箱に手を触れる。

「お待たせしました。ご案内致します。」

戻ってきたお店の人のついて行き、2階の席に案内された。

「メニューはいつも通りでよろしかったですか?」

「いえ、今日はみんなで食べるメニューでお願いするわ。」

「かしこまりました。」

お店の人が下がると不思議そうな顔をしていたクラスの子が聞いてきた。

「クラリス先生、よく来るんですか?」

「まぁね。色々あってここのオーナーとは仲良くなったから。」

少し目を逸らしながらそう答える。というのも、ここのオーナーと仲良くなった原因はお兄様の暗殺未遂事件だった。このお店の従業員として働いていた人が実は暗殺者だったらしく、食事に来たお兄様に毒を盛ったのだ。もちろん、そんな事知らないお兄様は完食していったが違和感はあった様子。その後その従業員が姿を消したことでお店のオーナーが調べてみると実は暗殺者だったことがわかったらしい。しかも料理に毒を盛っていたことがわかりオーナーが激怒。そのことを私たちの家に報告してくれてそこから数日後にはその暗殺者が捕まり無事解決ということになった。

オーナーは自分のお店で働く人が頑張って作った料理を毒で汚されたことが許せなかったらしく、もう一度本当の味を食べて欲しいと私たちの家に招待状を送ってくれたのだ。そこから仲良くなり、何度も足を運ぶようになたのだ。

「クラリス先生の色々ってやばい気しかしないんですが。」

「そんな心配することじゃないわよ。」

そんな話をしているとお店の人が料理を載せたワゴンを押してやってきた。

「お待たせ致しました。」

手早く料理を私たちの前に並べるとスっと下がっていく。

「さて、じゃあ食べましょうか!本当に美味しいからぜひ楽しんでね!」

みんなワイワイと元気な声を出しながらも、綺麗な作法で料理を食べ進めていく。大人数で食べるメニューなはずだが、みんな気に入ってくれたのかどんどん減っていく。

「先生!料理少なくなってきましたー!」

「分かってるわよ。すぐ持ってきてくれると思うから少し待ちなさい。」

その言葉通りすぐに次の料理が運ばれてきた。出てきた料理を見てみんな美味しそうと言ってくれたので連れてきてよかったと思った。

「あ、そうだ。みんな帰っても何処のお店で食べたか言っちゃダメよ?」

「どうしてですか?」

「私が好きで連れてきてるのにみんなの両親からお礼が送られてきちゃうから。」

そう言うとエスズ以外の全員があっ、という顔をした。

「そういうことたがら、お願いね?」

もう一度念押をして置いてそこからはエスズの歓迎会を楽し見尽くしたのだった。

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