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ゲームに出てこないのに美形なのはなんで?  作者: 妖狐
改変した舞台
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エルドラド13

学園で仕事感覚も元に戻り、教えることも多くなった影響か時間が進むスピードがとても早く感じた。そんなこんなでアルカディア王国から留学生を迎える日が近づいてきていた。

『アルカディア王国へは3人ほど学院の先生を連れて行って欲しいのだが大丈夫だろうか?』

学院の教師が集まった議場に映し出された空間映像から話す皇帝の姿。

「時間のある先生をということなら問題ないですが、指名がある場合は難しいかと。」

『わかっている。誰を連れていくのかはそちらで決めてもらって構わない。』

「現状担当教室を持っていない先生は時間があると思うが、何か忙しい人はいるか?」

学院長が集まった教師にそう声をかけると多くの人が手を挙げた。

『やはり国1番の専門家が集まる場所だけあって忙しいものも多いようだな。』

皇帝が困るような顔をする。この学院は1つの分野や学問において皇帝や大臣をも凌駕する力や頭脳を持つ人が先生として集められる。そのため学園での授業以外でも色々呼ばれたり調査に行ったりしている。

「向こうが提出してきた生徒を見ると貴族が多いからな。作法に精通している人がいいだろう。そうなるとちょうどいい先生が残るな。」

学院長と目が合った。

「私ですか?良いですけど、次期皇妃が言っても問題ないんですか?」

『問題は無いだろう。今度は正式に訪問すると伝えればいいだけだ。』

「サリス先生は決定として、後はイテツ先生とカナル先生の3人でいいかな?」

学院長が選んだ残り二人の先生も問題ないと回答していた。

『では選ばれた先生方は明日の朝飛行船の係留施設に来て欲しい。わからない場合はサリス先生について行ってくれ。皇城内は彼女が詳しいだろうからな。』

「この後エルドラド皇国に帰ってくる時にやって欲しいテストの要項を渡すから少し残っていてくれ。それでは解散。」

学院長の言葉を合図に緊張が緩みガヤガヤとし始める。学院長の所に3人で行くと1枚の紙を渡された。

「テストは入学時のレベルを判断するテストと同じものだ。実技テストの方はサリス先生とイテツ先生の2人が見てくれ。カナル先生は筆記のテストを担当して欲しい。採点が難しい場合は3人で決めてくれ。」

紙に書かれた内容を見ながら話を聞く。

「何か聞いておきたいことはあるか?」

「このテスト、何が目的すか?サリス先生の話から聞くとあまり高い点を取れるとは思わないのですが。」

「留学前と後の伸びを見たいというのが主目的だな。もちろん実力を図ることも目的のひとつだぞ。」

いくつか質問をしてそれが終わると私たちは自室に戻り明日に準備を始めた。行って帰ってくるのに最短で約3日。余裕を持つなら5日を見ておけばいいだろう。

「仕事ができるように資料と書類だけ持っていけばいいかな。」

仕事道具をまとめて鞄に詰めるとその鞄を持って学院を出た。1度実家に戻ると今後の日程だけ家族に報告をしておく。久しぶりだった実家だが、時間が無いためすぐに出発しなければ行けなかった。今度は皇城の自室で式典用の細身ドレスを出してもらい学院から持ってきたカバンと一緒に飛行船内の部屋に運んでおいてもらう。

「よし、準備終わり。」

最終確認が終わった頃には日が暮れてしまい真っ暗な夜になっていた。

「1年ぶりのアルカディア王国かー。」

留学していた頃のことを思い出しながら私は部屋の明かりを消した。

「では、頼んだぞ。」

翌朝、飛行船の係留施設で皇帝からそう話しかけられた。

「ええ、お任せ下さい。」

「サリス先生、出しますよ!」

船長の声を合図に私は飛び上がって飛行船の甲板に上がった。

「出航用意完了!いつでも出せます!」

「出力上げろ!出航!」

飛行船はフワッと浮かび上がると音もなく進み始めた。

「高度を上げていきますので何処かに捕まっていてください。」

ぐんぐんと高度を上げていく飛行船。あっという間に眼下に見える街が小さくなっていく。

「安定高度に到達。これからアルカディア王国までは速度を維持して行きます。」

高高度で空気も薄い。そのため大体は船室で過ごすことになる。

「ん〜、陽の光を邪魔するものがないからいいねー。」

船首上部に設けられた展望スペースでイテツ先生とカナル先生と過ごしていた。

「やっぱりこの高さは慣れんな。」

カナル先生はそう言って椅子に座っていた。

「カナル先生あまり力無い方の人ですからね。僕やサリス先生と違って小さい頃から飛び上がって遊んでた人とは違うんですよ。」

イテツ先生は展望スペースから見える景色を楽しそうに見ていた。

「お前ら2人を比較に出されたら誰も勝てないだろ。」

カナル先生がそう言って笑う。

「それを言うなら私たちはカナル先生に頭脳では勝てませんが?」

「ここの3人でそれ言い合ってたら一生終わりませんね。」

イテツ先生も外を見るのをやめて談話用に置いてある椅子に座った。

「それにしても、生きてる間に外の国に行ける機会が来るとは思っていなかったな。」

「各方面で領地が接してる貴族家が頑張って交流しようとしてるみたいだけど、まだ先の大戦時のイメージが拭いきれてないみたいね。」

「強すぎるというのも考えどころですね。」

「早い段階で解消しないと戦争になりそうだしな。そうなったら大陸外の国にもエルドラド皇国のイメージが悪く伝わる。」

「あとの3国がどう出てくるか。」

アルカディア王国は国王と皇帝が細いが繋がっていたからこそ何とかなったという面が強い。しかし、ほかのエルドラド皇国を囲む3つの国は正直分からない事のが多い。

「アルカディア王国から色々話を広めてもらうしか無さそうだな。」

そんな話をしていると艦内に放送が流れた。

『間もなく力場の結界を抜けます。一時的に出力が低下するので振動に備えてください。』

「もうここまで来たか、早いな。」

「でも、ここから長いよ?」

これまでは昔皇国が貼った結界の中を飛んでいた。この結界はエルドラド皇国の各地の力源石から湧き出ている外力を外部に漏らさない事を目的としている。そのため結界内は外力に満たされている。飛行船も外力を上手く使うため結界ないでは早い速度で動けるが結界の外では外力が薄いため速度は遅くなる。まぁ、それでも早いが。

「もうそろそろだな。」

カナル先生の言葉とほぼ同時に速度が落ちた。慣性で前側に引っ張られるような力が働く。

「サリス先生、下の景色変わってきましたよ。」

結界を出たことで眼下に見える景色が変わった。

「やっぱり自然が多いね。」

眼下には人の手が入っていない森が広がっている。上からは見えないが、森のある大地の地下をこのまま飛行していると見えてくる分離都市と中央の都市を繋げる交通網が通っている。

「この森にも色々な種族がいるからな。よく来たよ。」

カナル先生は言語学を専門としている。古語に関してはほかの先生が強いが、それ以外の大陸内に住んでいるほとんどの種族の言葉は理解できるらしい。

「そういえば、この前言ってた妖精の言葉はどうな感じなんですか?」

「全くだな。資料がない。サリス先生もだけど契約ができる妖精さんは全員聞き手が理解できるように勝手に言葉が翻訳されるから調べようがないし。」

だからといって妖精を探してという訳にも行かないから進まないそう。

「妖精だけが使う言葉があるということが分かっただけでも1つの結果だな。」

そう言ってカナル先生は笑った。

「情報を集めつつ調べていくしかないね。」

そんな話していると遠くの方に陽の光を受けてキラキラと輝く青い海が見えてきていた。

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