509話「休むことも必要である」
久々の更新です
「さて、今日は休むか」
王都の屋敷の寝室のベッドで俺は目覚める。
最近いろいろと忙しい日々が続いており、一体誰のせいなのだろうと考えて見るも、結局は俺が頑張り過ぎているだけだという答えに行きついてしまう。
ということで、思い切ってしばらくは怠惰な生活を送ってみようということで、今日はゆっくりすることにしたのである。
いつもならばとっくに起き出している時間だ。だが、今日は怠惰な生活を送ると決めている以上、ベッドで寛いでいる状態だ。さすがに、一度目覚めてしまったので、眠気はとうに吹き飛んでいるものの、こうしていろいろなことを気にせずいる時間は久しぶりな気がする。
「ローランド様、失礼いたします」
そんなことを考えていると、異変を察知したソバスが部屋へと入ってくる。いつもの時間になっても姿を見せない俺を心配したようだが、事情を話すと納得してくれた。
「確かに、ここしばらくのローランド様は働きすぎなところがございました。そういった意味でも、ここで休息を入れるのは良い考えでございますね」
「そうだろう。というわけで、俺はまだ休ませてもらう」
「かしこまりました。では、ごゆっくり」
ソバスが部屋をあとにすると、再び静寂が訪れる。ゆっくりするとは言ったが、このままなにもしないままというのもあれなので、久々にステータスの確認を行うことにした。
【名前】:ロラン(ローランド)
【年齢】:十三歳
【性別】:男
【種族】:人間(?)・賢者・化け物
【職業】:元領主の息子・冒険者・大賢者の弟子・マジックマスター・人外の英雄・人類最強?(依頼屋・SSランク)
体力:484231600000
魔力:328315550000
筋力:S×13A
耐久力:S×13A-
素早さ:S×13B+
器用さ:S×13A
精神力:S×13A-
抵抗力:S×13A
幸運:S×13A
【スキル】
極解析Lv9、真闘気術Lv9→真闘気術・改Lv2(NEW)、悟りLv9→真悟りLv2(NEW)、魔導の深淵Lv9→魔道の王道Lv2(NEW)、
魔導学Lv9→真魔導学Lv1(NEW)、戦闘術・極Lv9、神思考Lv9→真神思考Lv2(NEW)、 全進化率上昇LvMAX、分離解体・極Lv3、
極威圧Lv9→極威圧・改Lv1(NEW)、イノグジェニッククリエイターLv5、ホームワーカー・改Lv9→マスターホームワーカーLv1(NEW)、
プロダクションマスターLv8→プロダクションマスター・改Lv1(NEW)、パラメータ上限突破・改Lv5、限界突破LvMAX、全無効Lv8、全耐性Lv9、超再生LvMAX
待て、いろいろと待て。一体どこから突っ込んでいいやらわからんが、順番にやっていこう。まず人間(?)ってなんだ? 俺はもう人間であるかどうかも疑わしいということなのか?
賢者というのは、大賢者であるあのロリババアの弟子ということで納得はできる。新しく、マジックマスターという職業が追加されたことも問題はない。だが、賢者の後ろのやつ、てめぇは駄目だ。
種族化け物ってなんだよ!? そんな種族聞いたことがないぞ! 抽象的な表現ではなく、具体的に明記しろ!!
そして、パラメータについてだが、もう体力と魔力についてはぱっと見いくらなのか判別ができなくなっている。そして、その他の能力も向上しており、修行の成果が出ていることがわかる。
メランダたちを鍛えている合間に自分自身のトレーニングを欠かさなかった結果なのだが、まさかここまで上昇するとは思わなかった。スキルについては、もういろいろとおかしなことになっており、端的に言えばもうなんかすごいことになっているというのが正直な感想だ。
「……見なかったことにしよう」
こうなったらもう見て見ぬ振りをするしかない。そう決めた俺は、そっとステータスのウインドウを消した。
だが、これだけの強さを手に入れても、あのロリババアことナガルティーニャに劣っているという事実がある。それはそれでどこか安心できるようなできないような複雑な心境だが、少なくともまだ俺より強い存在がいることは確実だ。
せっかくゆっくりしようと決めたのにもかかわらず、最初の段階でいろいろと出鼻を挫かれそうになってしまった。とりあえず、しばらくベッドで二度寝でもすることにしよう。
しばらくして、俺はベッドから起き上がる。普段よりも遅めの起床になってしまったが、今日はゆっくり休むと決めたのだからなにも問題はない。
昼食に近い朝食を取ったのち、俺は屋敷内を見て回ることにする。そういえば、この屋敷をもらってから、どこにどんな部屋があるのかすら確認していないことに気づいたのだ。
これはちょうどいい機会だと思い、今日は外には出かけず屋敷探検を行うことにした。
まあ、探検といってもダンジョンを攻略するわけではないので、珍しいお宝が手に入るわけではないのだが、今まで目がいかなかったところで改めて見ると、いろいろと面白い発見がある。
例えば、この屋敷を支えている柱は何色だとか、何本あるとかだ。たったそれだけのことではあると言ってしまえばそれまでだが、それでも今まで見ていなかった部分に目をやることは意外と面白い。
「あら、ローラ……ご主人様。どうかされましたでしょうか?」
「別にローランドでも構わんぞ」
「……そうはいかないのよ。一応雇い主だし、それに馴れ馴れしくすると、他の人たちがうるさいの。特にソバスさんね。あの威圧たっぷりの微笑み。ぶるるる、思い出しただけでも怖いわ」
屋敷を見て回る途中でルルミーレと遭遇する。彼女はまだ見習いメイドという肩書だが、意外にも要領が良く、すぐに屋敷での仕事を覚えてしまった。もともと実力があったこともあったが、俺が鍛えた使用人たちの強さを知って、文化の違いを痛感したらしい。
「これが、人族の実力なのね」
などと、感心していた彼女であったが、それについては全力で異議申し立てを行いたい。すぐさまソバスの口から自分たちが異常なだけであり、普通の人間は弱いと修正していたが、屋敷にいるすべての使用人が自分よりも強者であるという事実に変わりはなく、当初から自信満々だったルルミーレであるが、彼女の自信は瞬く間に崩壊し、今では見習いメイドとして真面目に働くようになった。
まあとにかくだ。真面目に仕事をする彼女の邪魔をするわけにもいかないので、そこでルルミーレと別れ、俺は屋敷探索を続行することにした。
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