表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

482/550

469話「やり過ぎ?」



「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおら」


「ちょ、ちょちょちょちょっと。ローランドきゅん、ちょっと待って――ゴボボボボボボボボボ」


「せいやー」


「あばぶわっ」



 目にも止まらぬ連打からの正拳突きがナガルティーニャの顔面にクリーンヒットする。拳がめり込んだ不細工な顔面を見つつ、そのまま腕を振り切ると、抵抗らしい抵抗もなく彼女の身体が吹き飛ばされ、周囲の遮蔽物をなぎ倒す。そのまま瓦礫の下敷きとなり辺りが静寂に包み込まれる。だが、すぐさま瓦礫から飛び出してきた彼女が、頬を膨らませながら抗議の声を上げる。



「ローランドきゅん、待ってって言ったじゃないか!? 今のは痛かった……痛かったぞぉー?」


「サービスタイムは終わったのさ。それよりも、これで修業は終わったのか?」


「う、うん。一通りのことは叩きこんだつもりだよ。でも、一つだけ解せない点があるんだけど言っていいかい?」


「何だ?」


「五十年……五十年だよ? 五十年という時間が経ってるのに……こんな見目麗しい娘を好きにできる環境下に五十年いたというのに……何でチュウはおろか手すら握られていないんだ!? こっちはずっと誘ってたよね?」


「別にそれが目的でお前と五十年一緒にいたわけじゃないからな。それに、見目麗しい娘と言ったが、そんな娘がどこにいた? 俺が相手をしていたのは、だらしなく涎を垂らしながら発情するメス豚しかいなかったのだが?」


「辛辣ぅー! ローランドきゅんはお爺さんになっても辛辣だよぉー!!」



 何年経とうともナガルティーニャはナガルティーニャであり、ロリババアはロリババアだと改めてとりとめのないことを思い返す。この五十年彼女と一緒にいたが、彼女も言及していた通り彼女との間にロマンス的な何かは起こらなかった。

 今の俺は細身ではあるものの、ちゃんとした大人の姿になっており、少し若く見られがちの中年くらいの姿をしている。そんな相手にローランどきゅんなどと呼ぶナガルティーニャの異常性が垣間見られなくもないが、とにかくこの五十年修行に明け暮れる日々が続いた。



 ナガルティーニャの抗議の声を聞き流しつつ、俺は改めてこの五十年の集大成を再確認するように自身のステータスに目を向けた。それがこれだ。ワン、ツー、スリー。





【名前】:ロラン(ローランド)


【年齢】:六十三歳


【性別】:男


【種族】:人間


【職業】:元領主の息子・冒険者・大賢者の弟子・人外の英雄(依頼屋・SSランク)



体力:83460000


魔力:506750000


筋力:SSSSB+


耐久力:SSSSA+


素早さ:SSSSB+


器用さ:SSSSA+


精神力:SSSSD+


抵抗力:SSSSC+


幸運:SSSSB+



【スキル】



 超解析Lv8→極解析Lv3(NEW)、闘気術Lv8→真闘気術Lv5(NEW)、感覚操作Lv8→悟りLv4(NEW)、魔道の極意Lv8→魔導の深淵Lv3(NEW)、


 共通魔法Lv7、自然魔法Lv6、混沌魔法Lv7、転換魔法Lv6→(共通魔法・自然魔法・混沌魔法・転換魔法が統合)魔導学Lv2(NEW)、


 戦闘術Lv7→戦闘術・改Lv9(NEW)、並列思考Lv7→神思考Lv4(NEW)、全成長率上昇Lv7→全進化率上昇Lv6(NEW)、分離解体・改Lv8→分離解体・極Lv1(NEW)、


 超威圧Lv6→極威圧Lv5(NEW)、無機生物創造Lv6→イノグジェニッククリエイターLv1(NEW)、家事全般Lv8→ホームワーカーLv5(NEW)、


 錬金術・改Lv7、鍛冶・改Lv8、宝飾・改Lv7→(錬金術・改・鍛冶・改・宝飾・改が統合)プロダクションマスターLv3(NEW)、パラメータ上限突破Lv7、限界突破LvMAX、


 毒耐性Lv1→毒無効Lv5(NEW)、麻痺無効Lv5(NEW)、幻惑無効Lv5(NEW)、睡眠無効Lv5(NEW)、物理耐性Lv8(NEW)、魔法耐性Lv8(NEW)、超再生Lv9(NEW)


【状態】:なし





 ……うん、もうね。なんかいろいろと突っ込みたい気分だ。元々化け物だったものが、これ以上ないくらいに極まってさらに化け物から怪物に進化したって感じ。



 自分でも何を言っているのかわからないくらいだが、とにかくこの五十年でさらに実力がついたことだけは確かである。だが、一つだけ解せないというか納得のいっていないことがある。まあ、とりあえずそれを話す前に己のステータスについてだ。



 まずは超解析が【極解析】に進化しており、これでさらに解析率が上昇した。これによってある程度隔絶した実力差を持っている相手でもその能力を把握することができるようになった。これは大きな成果といえるだろう。



 次に魔法についてだが、元々バラバラに分類されていた魔法だったが、最終的に統合され【魔導学】という学問という形に落ち着いた。これによってさらに威力の高い魔法や複雑な魔法も理解できるようになった。



 他に統合されたスキルといえば、【錬金術・改】と【鍛冶・改】と【宝飾・改】だ。日本語で“生産”を意味するプロダクションをマスターするという意味のスキルということらしいが、どことなく前の漢字表記の方が能力的に上だと思ってしまう。



 その他にも各種耐性系のスキルも無効スキルにまで進化しており、仮に体の一部が欠損しても新たに生えてきた【超再生】のスキルによって瞬く間に復活してしまう。ますますもって弱点が無くなってしまった。



 その他にもいろいろとスキルが進化しており、一つ一つ紹介したいところではあるが多すぎてキリがないため“なんか凄くなった”という一言で片付けさせてもらう。スキルはそれでいいが、次に注目してほしいのはパラメータだ。



 かねてより伸び悩んでいたパラメータだったが【パラメータ上限突破】のスキルがレベル7にまで急成長を遂げ、SSSSS+の領域まで手が届きそうになっている。しかしながら、あまりに成長し過ぎたため、スキル的にはSSSSSSSS+まで成長が可能となっているが、五十年程度ではそこまで到達できていないのが悔しいところである。



 さて、今まで修行の成果についてはこれくらいにして、先に話した納得がいっていないことについて触れようと思う。その内容とは、ナガルティーニャのステータスについてである。



 【超解析】から【極解析】に進化したことで、格上の相手でもステータスを見ることができるよになったことは喜ばしいことではある。だが、それによってナガルティーニャの強さを垣間見ることになってしまったのだが、いろいろと端折るが、なんとパラメータがSSSSSSS+という領域にまで到達していたのだ。



 本人を問い詰めると、修行を始める前はSSSSSS+だったらしいのだが、俺との修行によって成長してしまい、SSSSSSS+という恐ろしいパラメータを手に入れたと事も無げに口にしたのだ。



「ま、まあ潜在能力でいえばローランドきゅんの方が最終的に強くなるから」


「そういう問題じゃない! 大事なのは、今強いかどうかだ」



 いくら潜在的に強くとも、現時点で戦って勝てなければ何の意味もない。漫画やアニメで登場する主人公も壁となる強敵が現れたら修行をして強くなろうとするが、強くなる前にその強敵に殺されてしまってはいくら潜在能力を秘めていても、それは宝の持ち腐れとなってしまうのだ。



「てことで、俺がお前よりも強くなるまで……いや、バルバトス帝国との約束の日にちまであと六日か七日あるはずだから、それまで修行続行だ」


「えー、もう飽きたよー。お外出たいよー」


「二百五十年も引きこもってた奴が何を言うか! それに可愛い弟子の頼みではないか? ほらそうと決まれば続き行くぞ!!」


「ぶうーぶうー」



 さらに修行が続けられることが決定したのだが、一つ疑問に思ったことがあったので、俺はナガルティーニャに聞いてみることにした。

よければ、ブックマーク&評価&いいねをお願いします。

あなたの清きクリックが、作者のモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ