魔攻戦記ーマコウセンキー
秋の風が吹きまくり、秋の訪れを告げた
おれたちは秋の風を背中に受け、その風の勢いで校内を歩いていた
「きょうは秋の風が隻眼のおれたちの目に沁みるな、鋭く」
「ああ」
鋭くしみたその風は俺たちを通り越して、女子学生の履いていたスカートを揺らした
「揺れたぜぇ」
アキラが言った
アキラは学年一すけべで、手に負えないがいいやつだ
おれたち5人はいつもグループで行動していて、近寄りがたい雰囲気があるためモテないが、お互いに興味がなく、隻眼だ
だが、気が合う
「同意だ」
グラスが同意した
グラスは生まれつき人の心が読める
グラスはおれたちの中で一番頭が賢く、外見はというとメガネをかけていて隻眼なので片方のレンズは付けていなく背が高い
グラスはすらりと伸びた足を食堂の方角へ向けた(グラスはスタイルがいい、むかつくぜ)
そして俺たちは食堂に到着、速攻でカレーを5つ注文した
カレーは代表でグラスがまとめて注文したがおごりというわけではなさそうだ
注文を終えると俺たちはスムーズに着席し誰からと言うわけでなく自然に談笑を開始した
隣いいかしら
そういってマリアが俺たちの座っている机のところに座り、カレーを置いた
マリアはクラスメイトで俺たちはクラスメイトからは近寄りがたい存在だが唯一近寄ってくる黒猫のようなやつだ
しかしマリアは俺たちの持っている魔力ストーンを狙っている疑惑があった
(魔力ストーンというのは俺たちの魔力を制御している石でギャッツビーのワックスにかなり似ているため俺たちの学校はワックス禁止なためいつも先生に取り上げられそうになる)
「マリア、何しにきたんだよ」
何をしに来たのか疑惑があり、言った
「あら、あなたたちと楽しくお話をしたいだけよ、いけないかしら?」
いたずらに笑う
マリアは笑う時クスクスと笑う
マリアは黒猫の一族だ
その昔俺のソードの一族と黒猫の一族は親戚関係であったらしい、たしかに俺の母さんにすこし似ているような気がするが
「意外な話だな」
グラスに知られてしまった
グラスはその能力によりかなりの知識を有しており、現在東京大学から入学のオファーを受けているが断ったらしい
ここだけの話だがグラスは昔マリアに告白してふられた事があるらしい、しかしまだ好きなようだ
全くこんな黒猫のような女のどこがいいのだろうか
「おーい問題児たち」
また客人か、忙しい日だ
「お前ら、また悪いことを企んだりしてるんじゃないだろうな?」
担任のローラだ、ローラはロリに見えるが実は87歳で俺たちの年上だが、その事実はおれたち以外には誰にも知られていない
ローラはカレーを置き、おれたちの机に座った
「まさか、おれたちは悪いことを企んだりしませんよ」
ブラインドが言った
「以前のケンカも、向こうから絡んできた」
ブラインドは両目が隻眼だが、開眼することで5つ目が開く
「それならいいんだが」
ローラがそう言った瞬間、けたたましい音が食堂に響き渡り、女子たちの悲鳴が食堂を支配した
「なんだこの音は!?」
ガラスが割れる音が食堂に響き渡り、おれたちは驚愕したが、その驚愕は一瞬で終わり、冷静に判断した
デスの一味が乗り込んできたのだ
「やれやれ、きょうはなんて忙しい日だ!」
その瞬間
ブラインドが開眼し、先制攻撃をデスにくわえる
「ラ!」
ブラインドがデスを殴り飛ばす
しかしブラインドは致命的なミスを犯していた、魔法ストーンを解放していなかったのだ、デスたちはブラインドを取り囲み俊敏に動いた
「ラ!」
シュンシュン
「かなり避けられていやがるぜ!」
グラスが言った
かなりの俊敏さにブラインドは立ちつくし、襲いかかってきたデスたちによってブラインドの開眼した目が4つ切り裂かれ、ブラインドの開眼が隻眼になった
「ブラインド!」
開眼した目を切り裂かれ、直立でゆっくりと倒れていくブラインドにローラが駆け寄り、切り裂かれる
あまりの高速の切り裂きにより
ローラは一度何もなかった感じになったが時間差で全身から血を出し倒れ、俺は驚愕した
「あきらかに速い!」
デスの一味はおれたちの魔法ストーンを狙うやつらでおれたちの平穏を破壊する、かなり厄介な奴らである
即座にマリアが魔法陣を出し、黒猫の印を発動する
「私が先生たちを保健室にテレポートさせる間に奴らを食い止めなさい」
魔法陣が出て来た
キキーッ!
デスたちがマリアに襲いかかる
「させるか!」
グラスが盾になりマリアを守る
ザシュ!
デスの鎌がグラスの腕をかすめてグラスは顔をゆがめてグラスは思わず声をあげた
「ウー」
だがこれしきのことで倒れるグラスではない、グラスは切り裂かれた腕を抑えながらデスたちの動きを完全に読むことで全ての攻撃を首だけでかわし始めた
「くっ、数が多すぎる!もって1分だ」
グラスが言う
紹介が遅れたが今から見事な技を披露するのがアキラ兄弟だ
アキラ兄弟も隻眼で、ふつうはお互いの見えない方角をカバーしたりするがお互い同じ方の目が見えないタイプの兄弟だ
アキラとタツヤが手を合わせる
「「チャージ!」」
アキラとタツヤが光をチャージする
グラスは全力でデスたちのすさまじい攻撃のラッシュをかわしている
「「チャージ完了!いけー!」」
アキラとタツヤの手から光の矢が発射され、デスたちを貫いた
そしてデスたちは灰になり、焦げた匂いだけが食堂に充満した
「よし!」
しかし俺はよしと言ったがまだ状況はよしではない、それは2人がよしではないということだ
急いで保健室に向かう、保健室のベッドにブラインドとローラが倒れている
「止血はしたけど意識が戻らない、このままだと意識はこのまま戻らないかもしれない」
先に着いていたマリアが言った
「クソ!」
グラスが窓ガラスを叩き、窓ガラスが揺れる
ユサユサ
グラスは悔しそうな表情を浮かべて保健室を後にした、魔攻戦記ーマコウセンキーのちに他の人たちからこう呼ばれることとなるおれたちの戦いの日々はこうして幕を開けた