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2歳の春3

 朝から試作肥料の状態を確かめ熱を持っていることを確認し、樽の中を攪拌した後に上から水をかけておく。

 発酵がうまく進んでいれば60~70度ぐらいで発熱し続け、たまに樽の中身を混ぜ乾燥しないように注意し半年ほど経てば肥料として使えるためしばらく時間がかかるため他にもできることをこの数日考えている。


 村は幅50m深さ1mほどの緩やかな流れの川に面しており、南から北側の海に流れ込んでおり川沿いに下流側に進むと第2村がある。

 第2村との往来は陸路でしかなく船を使っているところは見たことが無いが、今後船を使うかもしれないので船に関することで何か考えてみる。


 転生してこの村から出たことが無いため今までに船を見たことはないが祖父にこの世界の乗り物について聞いた時に、海や川などの水のある処では船を使うというのは聞いていた。

 この村では船を使わないのかも聞いてみたが船を使うほどの物資の運搬もなく、小さな船であっても高価なため持っていないとのこと。


 船は物資を大量に運搬するのに非常に有効な運搬手段であるため今後村が発展すれば必要になると思う。

 小さな船であれば村で作ればいいと思い今から必要な資材を用意しようと思う。

 木材があれば櫂でこげば船は動かせるが、風の力を利用した帆船であれば少人数であっても動かせるため帆船に必要な帆を用意しようと思う。

 船に必要な布は作るのに時間がかかるため町に持って行けば高く売れるため必要な布以外はむらに在庫はないような状態だ。

 布に必要な麻は村でも作られており大麻と亜麻を栽培している。

 布を作るには麻から繊維を取り出しより合わせて糸にし、糸を縦横に交差させて布が出来る。

 村で服1着を作るのには非常に時間がかかっている、女性達が農作業の合間に作るためおよそ3カ月ほどかかっている。

 布が欲しいと言って貰える可能性は低いので、自分で時間をかけて作っていこうと思う。


 この村では木綿を見たことが無いため、木綿以外の材料で帆に使える物を考える。

 木綿よりも重量は増すが大麻と亜麻のどちらの繊維を使うかだが、大麻は特に世話をせずとも育つため大量にあるが亜麻は糸に加工する前のものでも高値で町で売れるためここは大量にある大麻を使おうと思う。

 父に許可をもらい大麻の繊維を倉庫に取りに行くと、去年の夏に刈り取り処理した繊維の状態にしてある大麻が大量にあった。

 両手に抱えれるだけの大麻繊維を持ち出し作業に取り掛かる。

 村で糸車を見たことが無く、糸を紡ぐには紡錘という物に繊維を括り付け空中に垂らした後回転させ繊維をねじり撚り合わせ糸にしていく。

 糸にするまでに時間がかかるため糸車があれば便利だが、細かな構造のものを作るのは難しく他の人にも説明しにくいため時間はかかるが紡錘で糸を紡いでいく。


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