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白い斑点

 工房を離れ向かう先は、キール教会のヨハンナ助祭に会うためである。

 キール教は教皇が組織のトップとして存在し、その周りを国で言えば大臣の役割を枢機卿達が司っている。

 各国に建てられた教会には司教や司祭といったものが本部から任命され、その地の教会を管理している。

 教会の仕事を司教や司祭だけでは手が足りないため、現地にて信仰の篤い信徒を助祭として彼らの手伝いとして任命する。

 助祭は教会の中では信徒達からの相談などを受け、その内容を司教や司祭に連絡するなど一般信徒達と接する機会の多い存在である。


 ヨハンナ助祭は私が教会に書物を読むため出入りしていた時に、新しい書物を選ぼうとしていた時に。

 「毎日熱心に特許関連の読まれていますが、何故なのでしょうか?今まで教会に伝わる聖典や国の歴史といった様々な物を読まれる方はいましたが、あなたの様に特許関連だけに絞って読まれる方は珍しく思い声をかけさせていただきました」

 今まで読書の為だけを理由に教会に出入りしていた私に、初めて声をかけてきたのが彼女だった。

「私は商人なので商売に使える新しい知識や技術を調べるためにこの教会に訪れていましたが、古く20年の特許期間が切れた物の中にも誰もが気付かずに見逃していた有用な特許があるか調べるためにここ最近は利用しています」

 「そうですか、読書の邪魔をしてすみませんでした。申し遅れましたが私は助祭のヨハンナです、何か困った事や相談したいことがあればいつでも教会を頼ってください。」

 そう言って彼女は離れていった。


 今日も読書をしようと教会に訪れていたある日、教会に入ってすぐのところでヨハンナ助祭が男性に話しかけられている。

 「助祭様、私たちの村にもあの白い斑点ができてるんです。どうすればいいんでしょうか?」

 「すみません、各地の教会でもその報告がいくつも上がっているんですが今のところ対策が全くできてないんですよ。本部の方でも精力的に取り組んではいるようなんですが」

 「そんな、村の畑が全滅してしまいます」

 そんなやり取りをしているのが目に入り、気になったため声をかける事にした。

 「ちょっといいですか、今の話を詳しく聞きたいんですが」

 「誰だあんた?」

 「あなたはいつも読書をしている商人さん」

 「商人なんかに話しても無駄だ、向こうに行ってくれ」

 男性に邪険にされ、話の邪魔をするなと言わんばかりに嫌悪感をむき出しにされる。

 「各国と取引を行う商人の方なら、教会が知らない色々な情報を持っているかもしれません。彼にも話だけでもしてみませんか?」

 「助祭様がそう言うなら、話だけはしてやる」


 男性が言うには村で育てている植物の葉に白い斑点が出来ており、その対策を聞きに教会に来たが、教会の方でもこの数年間に大陸の多くの村で同じような被害が報告され、収穫量が落ちたり植物が枯れたりするなど大きな被害となっているそうだ。


 植物の葉にできる白い斑点に心当たりがある私は、男性の村に訪れその状況を確認させてほしいとおお願いすると。

 「教会でもどうにもならないみたいだし、商人のあんたならわかることがあるかもしれないから村に来るのは許可してやる」

 そう言われ、男性と共に村に行き植物の状態を確認した。

 植物は私が知っている病害であり、対処法も知っているため道具の準備などをするため町に戻ることにした。


 「これは何とかできるかもしれないぞ」

 「本当か!?できるなら何とかしてくれ」

 「絶対にできるとは言わないが、準備をするのに時間がかかる。今日は町に戻って、準備ができ次第また村に来るってのでどうだい?」

 「何でもいい、準備が出来たら早く来てくれ」


 準備に必要な物を用意しようと村を離れ町に戻った私が、錬金術師エドと出会ったのはその日の夕方であった。

青い液、白い斑点。ここまで出ればわかる人にわかる物ですが、この液の名をつけるにあたって最初に使う村は○○○ー液するために○○○ー村しかないですよね。

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