錬金術師2
翌日になり朝からギルドに赴き、クルルートの町で送金した金を引き出しエドの工房に向かう。
「てめぇ金が用意できてないってのはどういうことだ」
「金は用意できるんです、もう少しだけ待ってください」
工房の扉の前で昨日の2人組にエドが詰め寄られていた。
「おーい、エドー」
「君は昨日の、遅かったじゃないかもっと早く来てくれよ」
「ギルドによって、金を用意したから来るのが遅れた」
エドはそれまで青い顔をしていたが、私の顔を見ると顔色が戻り笑顔を見せるようになった。
「てめぇは昨日のガキか、こんなガキが金を用意できるのか?」
「ガキじゃないです、ルークです。商業ギルド所属の商人です」
「てめぇの名前なんてどうでもいいんだよ、金が用意できてるなら寄越しやがれ」
「その前に借金の総額と利子を教えてもらえませんか?金を渡した後に追加で請求されても困るので」
「貸した金は3万R、利息は1万R、合計4万R払えば借金はなしだ。今日は最低でも利息の1万は払ってもらう、払えなければこのまま衛兵に突き出してやる」
その言葉を聞き、エドに顔を向け。
「4万R払い君の借金が帳消しになれば、君の工房にある全ての発明品の権利は私のものということで良いね?」
「ああそれでいいよ、だから早く払ってくれ」
「払う前に証文を見せてくれ」
男が証文を懐から取り出し、私に見せ。
「これでいいか、でっいくら払うんだ?」
「4万R払おう、この袋に金貨400枚入ってる。その証文と交換だ」
男の持つ証文と袋を交換し、証文を受け取る。
「こんなガキがよく4万Rなんて集めれたな。大したもんだ、ルークといったか名前は覚えたぜ金が必要になったらいつでも借りに来な」
「これでも商人なのである程度の金は用意できます。今回はこのような形でしたが、機会があればいい関係で商売をいたしましょう」
「おお、金さえ返してくれればこっちも商売なんでいい関係を築きたいもんだぜ。それじゃあな」
そう言って2人組の男達は立ち去っていく。
「君はルークと言ったかい、本当にありがとう」
「外で話す事はやめて、とりあえずエドの工房に入ろう」
「ああそうだね」
エドの工房に入り、エドに重要な話をする。
「エド、君には私がこれから作る商会で働いてほしい。君は自分の作った研究品の使い道が分からない、だから私がその使い方を考え商売をする。どうだい?」
「ちょっと考えさせてくれ、ルークの商会で働けば自由に研究をしてもいいのかい?」
「私もまだこの王都に来て商売をしていないから金があるわけじゃない。商会が安定すれば、常識の範囲内であれば研究の自由は認めよう」
「よし決めた、君の商会に入ろう。これからよろしくなルーク」
「ああ、こちらこそよろしく。誘った私が言うのもなんだけど、君の親父さんに確認しなくてよかったのかい?」
「別にいいさ、商会は兄が継ぐし。僕が錬金術の研究をしていれば他に迷惑をかけないって事で自由にしていいとは言われてたからね。それに前にも言ったけど君とは出会うべくして出会った、そんな気がするんだよ。それじゃあ僕はルークの商会に入って最初に何をすればいいんだい?」
「消石灰を水に溶かして、この青い液を比率を変えて複数混ぜ合わせて欲しい。あとはこの青い液を加熱するかして固体にする方法も考えてほしい」
「わかったよ消石灰と青い液を比率を変えて複数と、固体にするって事だけどこれは既に固体にする方法はわかっているよ。過熱して白い粉にするか、青い結晶としてとりだすかだね、どっちのほうがいいんだい」
「そうだな、白い粉の方で頼むよ。私はこれから他にもすることがあるので、これで失礼するよ」
そう言って工房を離れ、次に必要な準備に取り掛かる。




