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王都ライントラン

 バーリフ侯爵領にある河川の中で一番大きな川を下流側に街道を50kmほど進むと、ライル王国の王都ライントランがある。


 王都は石造りの壁で囲まれており、街道に繋がる大きな門には多くの出入りがあった。

 私も門をくぐり近くにいた兵士に商業ギルドの場所を尋ね、ギルドの場所が分かるとそちらに向かう。


 「ルーク・ハウンドですが、クルルートの町から送金をしたのですが届いていますか?」

 「確認しますね」

 小さな町であれば人物を特定するのにファーストネームと特徴で判別できるが、大きな町などで人の多い場所では複数の同名が存在するため、ファミリーネームとして出身村や町の名や好きな名前を庶民でも名乗ることが普通となっている。


 「クルルートの町からは特に情報は入ってきてません」

 ギルドの受付でクルルートの町からの送金依頼が完了しているかを確認し、情報がまだギルドに来ていないため送金が完了していなかった。

 次に受付で馬と賃貸を扱っている商会の場所を聞き、まずは馬を扱っている商会に向かうことにした。


 「乗馬用の小型馬だね、500Rでどうだい?」

 「それで構いません」

 村などであれば馬を飼うスペースなども確保できるが、都市などであれば飼うスペースを確保するのも難しくどれくらい王都に滞在するのかもわからないため、長年連れそった馬だが売ることにする。

 別れは寂しいが、馬を飼うとなれば体重400㎏であっても毎日4㎏の飼料が必要となり、人間5人分以上の食費が必要となる。

 この世界の商人にとって馬というのは旅に必要な相棒だが、長く連れそうわけではない。

 馬を動かせば休息が必要となり、その時間を惜しむ商人達は馬を変え村や町へ荷物を運んでいく。


 馬を売り次にギルドで場所を確認した賃貸を扱う商会に向かう。

 1人で住むということもあり5Rの職人の子弟向けの物件を借りる事にした。

 荷物を置き必要な物などを買い込み、明日に備えて早めに就寝する。


 朝になり屋台で朝食をとり、教会に向かうことにする。

 この世界の教会とは聖人キールを崇拝する宗教であり、この大陸で主に信仰されているキール教の建物を世間では教会と呼ぶ。


 聖人キールとはこの世界を大きく変革した人物とされ様々な知識を持ち、多くの優秀な弟子を育て、彼の死後に弟子たちが彼がいかに優秀であったかを世間に知らしめ認められたことがキール教の始まりとされ、聖人キールが亡くなった年がキール歴元年となる。


 教会ではキールの教えにより、勉学を望む庶民に対しては無償で文字や計算などの教育を行い、生前キールが新しい発明や知識は人類の財産となると弟子たちに伝えたことにより、教会では新しい知識や発明を奨励しており教会が認めた発明に対しては20年間の特許権を認め、発明したもので利益を享受する者は発明者に4%の利益と教会に1%の管理費を支払う事としている。


 私は教会に登録されている特許に、何か商売で使える発明や知識がないかを調べるために訪れていた。

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