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6歳

 この世界では土地を持ち管理し王や教会に認められた者を諸侯と呼び男爵、子爵、伯爵、侯爵がこれにあたる、彼らに仕え町や村などの土地の管理を代わって行う代官を騎士と呼び、諸侯と騎士がこの世界での貴族階級である。

 代官である騎士は世襲する事が多く、長男が騎士として引き継ぎ次男以降の男は兵士や町で働く者や農民などになっていく。

 貴族は王に土地の所有を認められ任じられるが、王は彼らに対して必ずしも強い立場であるわけではない。

 貴族達はその土地を支配していた豪族達が、戦争をしている国が味方を増やそうと緩い支配でも受け入れれば便宜をはかる目的だったのが成り立ちで、各地の豪族達は貨幣の流通など目的として王国の支配を受け入れていった。

 緩い支配であるため国王よりも大きな土地と莫大な資産を持つ貴族も存在し、無能な王は諸侯によって廃位せられた。


 我がハウンド男爵家は当時一般兵であった祖父が戦の褒賞により土地として価値のなかった辺境の地を、王から貰い受け男爵となった事が始まりだ。

 人の住む有用な土地は他の諸侯から妬みによる影響で貰い受けれず、辺境であり人が入植をしていない王家直轄領のこの地が選ばれた。



  年が明けるとともに、領にも新たに人が増えた。

 去年私が気にしていた領内の警備態勢だが兄は既に行動しており、妻のルチアナの父であるクレント男爵に兵士を融通できないかの相談をしていたようで、クレント家に仕える騎士達の次男や3男の7名が働き先を求めて我が家にやってきた。


 彼ら7名は幼少の頃より武芸に励み全員が剣槍弓と武器を使え、机上に関しても問題はなかった。

 父は彼らに領内のパトロールを命じ、騎乗によって街道の警備が主の仕事となった。

 彼らには月に5000Rとして金貨50枚が支給され、年に金貨600枚が彼らの年収となり、生活費や武器や鎧や馬などの装備費を工面していた。

 領内にいるときであれば馬の飼料に関しては男爵家持ちとなっている。


 ハウンド男爵家で土地を管理する代官として、シバ村に父の弟であるベージェフ、トサ村に兄のノヴァの二人がこの領の騎士である。

 彼らには村の管理を任せ税を貨幣で父に収めている。


 我が家の貯えも大きく増えたことで父は祖父の代から使っている鎧や武器などを新調し、兄二人には新しい装備が送られた。

 今まで質素であった衣類にも染色されたリネン(亜麻糸)のものを購入し着るようになっていく。

誤字訂正ありがとうございます、設定しておくとボタン押すだけなので凄い簡単でした。

今更ですが1Rが100円ぐらいの価値観と思ってください、金貨50枚は50万円の価値ですが中世時代を調べると騎士が付き140万、騎兵で70万とかで辺境ということで若干安くしてます。

リネン(亜麻)はヘンプ(大麻)の5倍で取引されていました。

ヨーロッパで中世の王の権力は弱く、室町幕府の将軍や守護大名が豪族に強制できない程度の権力しかなかったように、王の権力は現代人が考えるよりも非常に弱かった。

貨幣経済の浸透と、農民に対する圧政で暴動が発生し生産力が落ち経済的に困窮したことが王の権力が上がった要因です。

前話の収穫量が増えているのに行商人程度では、どう考えても運搬できないので変更します。

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