episode03.
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二人が教室に入ると同時のことだった。どこの学校でも共通なのだろう。聞きなれた学校のチャイムが響き、ほかの生徒たちがばらばらと黒板に張られている紙で指定されている席に着いていく。叶夢と星海も紙で確認してから指定された場所へと座った。星海は叶夢と席が離れ、少しだけむくれながらも、席に着く。しかし、隣のこに「よろしくね」と挨拶されると人懐っこそうな笑顔で
「こちらこそよろしくね」
と返す。
叶夢は星海の様子に肩をすくめながら隣の席に着いている人に軽く挨拶をすると、隣も軽く挨拶を返した。
叶夢の席は窓際で外の様子が一番よく見える席だった。それに対して星海は廊下側で、少し寒そうに体をさすっていた。寒がりな星海は辛そうだった。可哀想だとも思ったが、あとで席替えもあるだろうし、それまで彼には耐えて貰うしかないだろう。叶夢はもう少しで教師が来るのもなんとなく分かっていたので、窓の外の景色は後で眺めよう、と思いながら黒板を見つめる。
それから数分後。まだ若そうな教師が少しだけ緊張した顔で入ってくる。ひよっこの先生なのか、と心の中で呟き先生のことをじっと見つめる。(いい子だといいな、教えやすいといいな、私で大丈夫かな)といったクラスを持つことに対してのおおきな不安や恐怖感の声が聞こえ、肩をすくめる。その中でも担任を持てた嬉しさやら喜びをかみしめているようだった。担任が教壇の前につくと、だが力強く口を開く。
「初めまして、一年間、担任を務める神原幸希です。皆さんと同じく担任を持つのは初めてです。まだまだ新米ですが、よろしくお願いします。何か質問はありますか?」
先生が挨拶をすると他の生徒も「よろしくおねがいしまーす」と返す。その後に質問がないか、と言う問いに対しての返しだろう。どこからか男子生徒が声を上げる。
「はいはーい。先生。恋人はいるんすかー?」
「得に決まった相手はいませんが今は欲しいとも思っていません。……あ、そろそろ入学式始まりますね。じゃあ、廊下に出席番号で男女別に並んで下さいね」
その質問にも律儀に答えると神原は時計にふっと目を向けると、入学式が近いことを告げた。廊下に並ぶように告げると、神原は廊下に出ると、「こちらを先頭に立って下さい」といいながら、一人一人の顔を見つめる。よく見れば誰かを探しているようにも見えた。心にもそれは見えており、(誰だろう……、どの子だろう)と焦っているようだった。ふとしたときに目が合う。
「……なんですか、先生」
「えっと……?」
「泉道叶夢です。……なにか用ですか?」
「もしかして、代表の子?」
「入学式の……ですか?それなら私ですが……」
「良かった~、見つかって。私のクラスだって聞いてたけど、どの子か分からなかったから……。連絡事項があってね。いいかな?」
神原は不安げにしながら叶夢叶夢は神原のことを見つめる。別に見つめなくともわかるが、見つめた方がしっかりと考えていることが分かるのだ。
「……別にいいですけど」
そう返事をすると、神原はほっとしたような顔になると、口を開く。
「あの、代表の子は入場した後に新入生の名前呼ばれた後にね、代表の言葉言うことになっているんだけど、このときね入場したときと座る場所が変わって……ここの端っこに座っていて欲しいの。そっちの方が移動スムーズにできるし……」
「……そうですか」
言わなくても伝わるのになぁ、なんて考えながら早々に話しを切り上げるために神原から目線を逸らした。
「え……っと、じゃあ、その手はずでよろしくお願いね」
気まずくなったのか神原はそそくさと離れていく。
――これでいい。これが一番楽なのだから……。
そう思いながらみみに幼馴染みから送って貰った首にかけているヘッドホンをつける。極力周りの音が聞こえなくなるくらいまで音を上げると顔を上げるのだった。
お久しぶりです。失踪しかけました。
下書きがないの出始めから書いてるのもあり、なかなか進まないです。
これからもちまちまと書いていきます。
大まかなプロットはたててあるので、そこまで辛くはないので、頑張っていきます。これからもこの作品を読んでいて下さる皆さん、応援をよろしくお願いします。