僕にとっては我が家だ
第1話 俺にとっては我が家だ
「行ってきまーす!!」
俺の名前は日条遊人。
日常ではなく、日条だ。
この名前のせいで何かあればすぐ「遊びが日常だからだろ?」なんてことを言われ、からかわれる。
今日もいつもと変わらない生活を送るはずの高校2年生。今は8月、真夏だ...暑い。そんな中、駅のホームで電車待ち。夏休み中だが、夏期講習とか何とかで学校に行かなければならないのだ...
「うっ!?」
急に背中をたたかれてホームから落ちそうになり鳥肌がたった。
「っ、あぶねーな....誰だ?」
「ゆうとおはよっ!」
おまえか。
「あ〜今、なんだおまえか、っておもったでしょ!」
「そ、そそんな事...ないぞ?ってか桜あぶねーだろ!毎日毎日急に声かけやがって、流石に駅のホームで押されるのは命の危機を感じたわ。」
そう、この能天気なやつは俺の幼なじみで腐れ縁の春野桜。
「心配しなくても落ちたら助けてあげるって!」
「そう言う問題じゃないっ!」
さっきから思っていたがなんだこのラノベ主人公的な1日の始まりは...!
「自分で説明を入れるだけで変わってくるもんだな...」
「なんか言った?」
「言ってない。」
こいつに俺がラノベ主人公に憧れてるヤバいやつなんて思われたら人生が終わる気がする...
「ほらほら早くならないとドア閉まるよー!」
「乗る前に言えー!!」
こうして今日も1日が始まる...
今日は散々だった...
「今日も日条くんとサクラはらぶらぶね!」なんてクラスで女子から言われたから反論しようとおもったら噛んで「ちがいましゅ!」って叫んじゃったし...
一日中それでからかわれたし、帰りの電車が目の前で閉まって桜だけ先に帰っちゃったし...
「あぁーー、思い出さないようにしよう....」
それにしても暑い...
そんなこんなで家に着いた。
「やっと家についたぞー!今日はクーラー20度にして布団かぶって寝るんだ!!」
またバカな事を叫んでしまった...
早く家に入ろう。
いつも通り鍵をあけ....って空いてる?
母さん先に帰ってるのかな?
そんな事を思い、ドアをあけた。
「うわぁ!!?!? し、失礼しました!!」
だれだ、だれだ、だれだ、だれだ、だれだ、だれだ??知らない女の子が家の玄関に...
「あ、間違えてお隣さんの家に入っちゃったのか!」
表札は.....日条...
「だよな。」
って言うか俺の家川沿いで端っこだしお隣さんって桜だし!
そんな事を考えてそわそわしていると
「ガチャッ」
ドアが開き、その女の子が出て来た。
「す、すいません...!私、何が何だかさっぱりわからなくて...
「か、可愛い...!」
「なにか言いました?」
「はい!あ、いえいえ何もないです!なにも!!」
なんて可愛い子なんだ!あれか?最近よく見る異世界転生の逆?ってやつか!!?
「そそ、外は暑いのでどうぞ中へ!」
べ、べつにめっちゃ可愛いし異世界転生か何かかもしれないから家に入れたわけじゃないぞ!実際クソ暑いし...と自分に言い聞かせ、俺は女の子を家の中へ入れた・・・