夢から覚めたように
嘘。嘘。嘘。本当だと思っていたものも、本当は全て嘘。
何を信じることも出来ず、混乱する僕。自らが放った嘘に、街中に溢れる嘘に潰されていく。
僕と君との幸せな日々。それは、僕が創り出した偽物の日々。
大好きな君を騙し、沢山の嘘で塗り固められた、嘘だらけの偽りの日々。
僕と君とで重なる思い出。それは、僕が作り出した偽の思い出。
大嫌いな僕を許し、沢山の嘘で塗り固められた、嘘の中に隠れる真実の想い。
本当に大切に思っていたんだよ。どんな手段を使ってでも、守りたいそんな時間だった。
守る方法を間違えていた。そう言いたいんだろ? それくらいのこと、僕だってわかっているんだ。
嘘。嘘。嘘。本当だと思っていたものも、いや、最早本当も嘘も変わらないのかもしれない。
何を信じることも出来ないようで、混乱する君。僕が放った嘘で、街中で溢れる嘘で綺麗な君が汚されていく。
嘘。嘘。嘘。本当だと思っていたものも、本当は全てが嘘で。
何を信じることも出来ず、混乱する僕。嘘に潰されてしまうのが怖くて、嘘から逃げる為に再び嘘を吐いた。
好きと嫌い、背中合わせに。どちらに転ぶか恐れながらも、僕が渡ったこの細い綱を。
思い返せば恐怖がまた巻き起こり、その先にもまだ続く道に進む怖さに耐えられず。嫌いから逃げ出して、それは好きの気持ちなのだ。と、洗脳するかのように僕は繰り返した。嘘吐きになった僕。
好きと嫌い、連なっている瀬戸際。溺れてしまうことを恐れながら、僕が渉った川はもう下。
偽りの好きを手にすることも恐れて、それからも逃げ出した。洗脳で作り出した偽の好意を受け取ることなんて出来なくって。そんな勇気すら持てない僕が悲しい。
本当に大好きで大好きで、この愛は本物だったんだよ。両想いになりたくて、その思いが愛も偽った。
繋ぐ方法を間違えていた、そう言いたいんだろ? それは、僕自身が一番わかっているんだ。
嘘。嘘。嘘。僕の存在も、きっと嘘なんだろうと思う。
どこも嘘で満ち溢れていて、慌てふためき混雑していく街。蠢き溢れる嘘で、何も見えなくなっていて。
嘘。嘘。嘘。僕たちが信じて来たものも、僕たちが描いてきた夢も、僕たちが生きた記録すらそれらがずっと全て嘘だったんだ。
どこも嘘で満ち溢れていて、慌てふためき混雑していく駅。嘘を掻き分け真実を探すけれど、そこにはもう君はいなくなっていた。
嘘に更なる嘘を重ねて、嘘を隠す為に更なる嘘を積み重ねた。嘘と偽りで出来た、実に虚しい君との生活。
もう自分では降りられないほどに、高く積み重なってしまった嘘。その嘘がばれた途端、僕は全てを失ってしまったんだ。真実を探し語りながらも、嘘で出来ている綱渡りのような崩れ易く脆い日々。
嘘。嘘。嘘。それは。嘘。嘘。嘘。きっと。嘘。嘘。嘘。全て。嘘。嘘。嘘。Ahー僕は嘘。
吐き始めの頃は、本当に小さな嘘だったんだ。初めは、小さな小さなどうしようもない嘘だったんだ。その小さな嘘を隠す為に、更に嘘を重ねていく。嘘を隠す度、嘘はどんどん大きくなっていって。
そしてそれはいつしか、取り返しがつかないほどの大きな嘘となっていた。気付けば僕の小さな体じゃ支えきれないほど大きな嘘が出来ていた。
そんな状態だというのに、まだ僕は真実を探していた。信じていた。そんな中容赦なく終わりを迎えてしまった、嘘の日々、嘘の日常。本当に大切なものだった、それを僕は遂に失ってしまった。
夢から覚めたように。