雨の中の出会い
2話目です。学校のくだりはほぼ全カットとなります(笑)
やっとヒロインと主人公を合わせることができた!嬉しいです。
時間ギリギリだが、校門が見えてきた。教室に入ると同時にチャイムが鳴った。危ない危ない、ギリギリセーフだ。
廊下に【ギリギリセーフはギリギリアウト】なんいていう遅刻防止のポスターが貼られていたことは忘れよう。
「よう!帝人、おはよう!」
そう声をかけてきたのは、俺の一番仲のいい友達、八神 陵太である。陵太はとても頭のいいやつだ。運動はできないが、顔もいいのでよくモテる。
「帝人君、おはよー!」
もう一人、声をかけてきたのは宮川 翔子(みやかわ 翔子)。翔子も俺の友達の一人。美人で優しい
漫画やアニメでいうヒロイン・・・・ではない。まず翔子には彼氏がいる。
八神 陵太←こいつだ。もし、翔子がヒロインであれば、主人公は陵太だ。俺の目の前でイチャつく事はないが、何かしらの疎外感を味わう。クソッ、なんで俺だけ・・・・と思いつつも陵太と翔子は俺の友達であることには変わりない。
「二人ともおはよー。今日は2人で来たのか?」
「いいやー。今日は陵ちゃん朝寝坊したから、置いてきちゃった」
「ははっ、ちょっと昨日は借りてきたDVDが返却日過ぎててさ、急いで見たっけねるのおそくなってさー」
「そっかー」
そんな会話をしていたら、チャイムが鳴った。
俺たちは話を切り上げ、席に着く。
先生が来て、ホームルームを始めた。今日は朝から不審者の目撃情報があったらしい。黒いスーツ着た男がウロウロしてたって?ヤクザかよ。そんなこと思いながら、ホームルームが終わって、授業が始まった。いつもと同じ、いたって平凡な日である。
学校へ来て、友達と会って、話して、勉強して。いつもと同じ。同じである。
放課後、帰る準備をしていたら雨が降ってきた。ヤバイ、傘ねえ。
「雨降ってきたねー」
「なんだ翔子、お前も貸さないのか?」
「いいやー。今日は陵ちゃんの傘で一緒に帰るんだー」
くそっ、だと思ったよ!私傘あるから、入ってもいいよ、陵ちゃんには内緒ね♡みたいな展開になんないことは知ってたよ!
「オッケー。じゃあまた明日〜」
「ばいばーい、帝人君!」
ふう、どうしよっかな・・・・仕方ない、ダッシュするか。俺は玄関へ行き、出来るだけ濡れる被害を少なくするため、
家まで走った。
公園の近くを通ったとき、俺は彼女を見つけた。公園のベンチに座り、雨でびしょ濡れになりながら、静かに佇んでいた。黒く長い髪の毛、小柄な顔に大きな瞳。美人だ。
こんな所でどうしたんだ?俺は一度、彼女に話しかけてみることにした。
それが、俺の平凡な日常を変えていくことになるとは、その時はまだ、思ってもいなかった。
「あ、あの!どうしたんですか?・・・・」