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シニアの戯れ97
大体わしは芋を食べているんじゃよと、じいさんは言った。
私は尋ねた。
「そうか。ところでじいさん、いつも何食べているんだ?」
「わしは芋が主体じゃな」
「芋と言うと?」
「里芋とか長芋とかじゃな」
「ねばねば系か。それは身体にいいよな。それでも薬の副作用はあるんだな」
じいさんが頷いた。
「食い物の好き嫌いなんか薬の副作用には関係ねえよ」
「そうだよな。関係ねえよな。ところでじいさん何時に寝ているんだ?」
「十時には寝るけど、鼠がうるさいとなかなか寝付けなくてな」
「鼠退治すればいいじゃないか?」
「それもそんなに簡単なものじゃないのさ」
「薬剤まくとか、鼠取り仕掛けるとかしたのか?」
「それはしたよ。でもそれはしても無駄じゃよ」
「何故無駄なんだ?」
「鼠算方式で、どんどん増えるからな。あいつらは…」
 




