シニアの戯れ9
じいさんの恩に報いる為にも、ゲットしたいのだが、話しも聞いてくれず、私は天を仰いだ。
福島のじいさんも脳梗塞を患っている。
脳梗塞になった経緯を聞かされ、ダンプに後ろから撥ねられたのに生きているその生命力には目を見張るものがあるが、後遺症の脳梗塞は後を引き、様々な障害も出ているに違いない。
そしてじいさんは私に付き合って、ヘルス遊びをしてくれているわけだ。
それは取りも直さず、じいさんが相当無理をしている証でもあるわけだ。
ならばその恩に報いるために、私に出来る事はと言えば、じいさんを目一杯愉しませてやる事なのだが、これがなかなか難しい事柄となる。
気難しいじいさんと相性が合う女の子はいないのだ。
と言うよりは、スカウトに於いて、その項目だけに絞り込み、じいさん用の女の子を調達する事は不可能と言えよう。
スカウトを実践している時は、とにかく入店を期して踏ん張るのみであり、えり好みしている余裕など全く無いからだ、
強いて言うならば、優しい感じの子をゲットして、それをじいさん用に教育する事位か。
だが、声を掛けても、話しを聞いてくれる子さえおらず、私は天を仰ぎ、ため息をつくばかりだ。