シニアの戯れ8
哀しきピエロはやるきゃないと、前進あるのみだが、脳梗塞には勝てないか?どう思う?
私の心はやはり差別偏見の構造意識に塗れ、汚いものだと断じれるので、逆説的にこの仕事は、その醜い心を客観視出来る所以であり、私自身の心の浄化にはなっているのだが、心労も多く消耗度が高い。
だがこれも一つの道には変わりなく、求道者たる私は、苦しむ事を楽しむように挑み続けるしかないと思っている。
苦行こそ心の糧なのだが、ピエロの売笑と、悲しい心を垣間見る哀しみは、そこはかとなく憂愁を伴う事でもあるわけだ。
そしてこの仕事は私の持病たる脳梗塞には明らかに悪い。
興奮して話しをすれば少なからず血圧は上がるわけであり、それは病気を昂進させる結果にも繋がって行く。
しかし女房におんぶに抱っこも嫌だし、身体障害者扱いはされたくない。
それは長年培って来た修行者の意気地が許さないと言い切れる。
日々前に向かって精進するのが、私の生き様なのだ。
やるしかない。
やるきゃないと自分に言い聞かせるわけなのだが。
そこで女房が一言言う。
「余り興奮すると、心筋梗塞起こすわよ」
その一言を言われ、私は慢心を棄て、又ぞろピエロのごとく踊る始末か。
タリラリランとお笑い草だ。
人間は完璧ではなく、完璧主義は長生きも出来やしない。
脳梗塞万歳と念じて、自愛しないとおだぶつだ。
本当に生きるのは大変だが、ピエロでも歩く事が叶う事に感謝か?
まあそんなものかもしれないが、やっぱりやるきゃないわけで、疲れるが、やるきゃないわけだ。