シニアの戯れ78
じいさんは素っ気なく電話を切った。(*_*)
私は泣き落とし作戦に出た。
「なっ、じいさん、家も今苦しいのだ。明日の食事代にも事かいているんだ。なっ、じいさん、頼むよ?」
じいさんが答える。
「わしだって同じさ。わしは生活保護者だぞ。その生活保護者から、ひひひ、金取るのか、それは極悪非道なる行いじゃないか?」
怒鳴りたいのを堪え、私は言った。
「じいさん、そこを何とか頼むよ。お互いに困った者同士なのだから、そこのところ何とか頼むよ、なっ、お願いだから?」
「わしは困った者とは言っていないぞ。生活保護者である事を自慢しているわけでもないのだし。病院にいる老いぼれ共と一緒にしないで欲しいわけじゃ。そうじゃろう?」
私はへつらうように言った。
「そんなの分かっているよ。じいさんは生活保護者である事なんか自慢していないよな。分かっているから、頼むよ、なっ、なっ?」
「あんたは生活保護者なのか。生活保護者から保護費貰う生活保護者なんていないぞ。ひひひ」
「分かった、分かった、後生だから、そのひひひという笑い方止めてくれないかな。頼むよ?」
「わしはひひひなんて笑ってないぞ。野球観戦するからな。もう切るぞ」
「おい、じいさん、ちょっと待ってくれ、頼むよ、なっ?」
じいさんは素っ気なく電話を切った。
 




