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シニアの戯れ77

泣き落とすしか無いじゃないと、女房は助言して来た。

情けない。





その一言に尽きる。





長年付き合って来た相手がボケるのは、堪らなく悲しい。




私は目頭に滲んだ涙を指先で拭い、腕組みをして、深くため息をついた。





どうして良いのか分からず、途方に暮れる。




福島じいさんは頑固だ。その上にボケてしまったら、手がつけられない。




どうしたら良いのか分からず、私は独りごちるが。





そんな私の脳裏にじいさんとの楽しい思い出が甦り、私はもう一度滲む涙を拭い、ひたすら思案に暮れてると、女房が助言して来た。





「泣き落とししか無いのじゃない?」





私はその言葉を聞き、我が意を得たりと、大きく頷いた。

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