シニアの戯れ2
昔の遊郭にいた女性のような色気ある子はいないのかねと、福島のじいさんは言った。
福島のじいさんが尋ねて来る。
「それで、その子はどんな子なんだ。あんたが捕まえる子はろくでもない女ばかりだからな?」
私はひとしきり己を卑下するように笑い答えた。
「今度の子は間違いないよ、じいさん。可愛いし、優しい子だから、心配無いわ」
じいさんがやゆするように言った。
「本当かよ?」
私はぜげんよろしく威勢をつけて言い放った。
「間違いない。太鼓判押すわ!」
福島のじいさんが皮肉るように言った。
「昔の遊郭にいた女性のような、色気ある子はいないのかね?」
私は答えた。
「そりゃあ、じいさん、無理だわ。遊郭の遊女と、現代っ子じゃ、これは情緒に格差がありすぎるわけだしな」
「雲泥の差か?しかしあんた、それも偏見じゃないか。違うのか?」
私は力説した。
「違うよ、じいさん。これは偏見じゃない。俺の経験値で物を申しているのだから、偏見では断じてないのさ」
じいさんが不敵な笑いをもらした後言った。
「まあ、あんたも脳梗塞じゃ、職にもつけないしな。子供抱えて大変だろうから、付き合ってやってもいいのだが、どうだい、子供達は元気にやっているか?」
私は喜びの声を上げた。
「そうか。遊んでくれるのか。それじゃ、じいさん、その子車に乗せて、じいさん迎えに行くわ。この後直ぐにでいいのか?」
じいさんが笑った。
「ちょっと待ってくれ。俺はあんたの子供達が元気かどうか尋ねておるんじゃが?」
私は勇んで言った。
「元気だよ。子供達も乗せて、それじゃ、そっちに向かうわ」
じいさんが笑い言った。
「まったく忙しない奴じゃの」