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シニアの戯れ110
馬鹿野郎とじいさんが言った(^0^)/
「じいさん、いずれにしろ八方塞がりじゃないか。それならばジタバタせずにドンと構えていた方がいいのじゃないか?」
目を細め、頑固そのものにじいさんが答えた。
「わしは自分のやりたいようにやるんだ。それで死んだら本望じゃないか」
私は笑い言った。
「悔いは無いのか?」
じいさんが大きく頷いた。
「悔いなんか有るものか、馬鹿野郎」
じいさんの毒舌に、私は痛快なものを感じ、笑った。
「まあ、じいさんに悔いが無ければそれでいいわけだがな」
じいさんがうそぶいた。
「わしはハッタリだけで生きて来たんだ。わしからハッタリを抜いたら何も残らないではないか」
私は爆笑し、言った。
「そうだよな、そうだよな、しかしじいさん、死ぬのは怖くないのか?」
「そんなもの怖くねえよ。俺自体が死んだように生きているのだから」
私は笑いが止まらず頬が引き攣る。
「さすがだな、じいさん。でも死ぬのは困るな。うちの大事な客だしな」
「俺に死なれたら、金に困るってか?」
「そう、そう、それよ、じいさん、だから死ぬなよ」
じいさんが苦笑いしてから言った。
「馬鹿野郎!」




