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シニアの戯れ107
もう打っちまった博打だから、後戻りは出来ないしな、困ったものじゃいと、じいさんは言った。(*_*)
私はじいさんに尋ねた。
「しかし、じいさん引っ越すという事は、福祉の担当も変わるんじゃねえのか?」
じいさんがキョトンとする。
「それは無いじゃろう。そんな事になったら又面倒臭いしな」
私は突っ込む。
「いや、確か地区ごとに担当というのは割り振りされているから、多分そうなるぞ、きっと?」
「老人は別じゃろう?」
「いや、それは関係無いよ。地区ごとだと思う」
じいさんが露骨に顔をしかめた。
「担当嫌な奴だったら最悪じゃからな。うーん、ネズ公野郎とネズミから解放されて、痴呆もおさらば出来ると思ったのに、又嫌な奴か。嫌な感じだわい、実際問題」
「しかし、まだどんな担当が来るか分からないし、それも博打だな、じいさん?」
じいさんがしきりと頷いた。
「そうだな。もう打っちまった博打だから、後戻りは出来んしな。困ったものじゃい」
 




