103/273
シニアの戯れ103
福祉という業者に頼むのさと、じいさんは言った。
私は言った。
「じいさん、俺は引っ越し手伝わなくてもいいのか?」
「あんたは色々忙しい身じゃからの、それは無理というものじゃろう」
私は自分の金欠状態(笑)をおもんばかり、提唱した(笑)
「日当だしてくれるならば、手伝ってもいいがな、じいさん?」
けんもほろろにじいさんが答えた。
「馬鹿野郎、俺は貧乏なんだ。そんなの払えるかよ!」
私はたじたじとなり卑屈に笑ってから言った。
「じゃあじいさん、誰が引っ越し手伝うのだ?」
「業者に頼むさ」
私はもう一度卑屈に笑い言った。
「じいさん、俺には日当払えなくて、業者には払えるのか、そりゃ、つれない仕打ちだな?」
じいさんがほくそ笑み言った。
「福祉という業者に頼むのさ」
 




